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ベネフィットを強調する

サンフランシスコを発ち、フランクフルト、ウィーンと動き、イスタンブールでアメリカの仕事先の人と合流。今はサウジアラビアのリアドについています。

今週いっぱいこちらで、中東とのビジネスコミュニケーションのノウハウについての会議、コンサルティングの仕事に従事します。

日本からは一見イメージとしては遠い国サウジ。ここはイスラム社会のコアとなる国。そこの多くの人と交流できました。このことは別途、ブログで公開します。

Twitter では今回の旅行について常に呟いていますので、是非楽しんでください。

さて本題にはいりましょう。

英語でのプレゼンテーションのノウハウの続きです。

欧米の人へのプレゼンテーションや提案において、極めて重要なことは、彼らのモチベーションを刺激するように、提案におけるベネフィットを強調することを常に心がけるということです。

欧米の人が日本人からプレゼンテーションを受けたとき、よく口にする苦情が、そこからベネフィットがみえてこないことなのです。

business opportunity (ビジネスチャンス)

を強調すれば、彼らのモチベーションに強い刺激が与えられるという背景は、こうしたアメリカの成り立ちと無関係ではないのです。それでは、どのようにしてベネフィット、あるいはオポチュニティを強調すればいいのでしょうか。

ベネフィットの強調は特にリーズンのところで行います。

「もし〜をすれば、〜のようなベネフィットがあるのです」

という言い方で表明することも一案です。

例えば、

アイディアを詳細に紹介しながら、

is a good idea because
(——はよいアイディアです。なぜならば——)

is sound for the following reason(s)
(——は以下の理由でよいことだと思います)

というふうにしてベネフィットの説明にはいりましょう。

具体的には、

If we initiate this project right now, we can be more strong position to grab Japanese market that is potentially 80 million US dollars.
(もしこのプロジェクトを今進めれば、我々は80億円が見込める日本の市場を獲得する有利な立場を築くことができるのです)

というふうに。

常に数字などといった明解な情報をもってサポートしながら、ベネフィットを強調することも忘れないようにしましょう。

このように、リーズンやイグザンプルを表明するとき、単に一つの事柄だけではなく、直接の理由やサポート、さらにベネフィットなどを示してゆく場合、

Here are the reasons.(これらがその理由となります)

などといって、その後に箇条書きにしてわかり易く説明をしたり例示を行ったりするのも一案です。

さて、こうしたことを盛り込みながら、いよいよ会話を締めくくります。

通常の会話であれば、それを締めくくるときに、言いたいことと、その理由を言ったあとに、イグザンプルまで述べ、簡単に冒頭のコンクルージョンを再度強調すれば、それで相手にしっかりと意図を伝えることができるはずです。

もし、プレゼンテーションなどの場を与えられてスピーチをする場合、あるいは会議などで提案を行ったりする場合は、最後の部分でしっかりと言いたいことを確認し、その上で、未来につなげる提案などを盛り込んで締めくくるようにしたいものです。

So, let me summarize what I said.
(ここで今まで話した内容をもう一度まとめてみます)

So, again my conclusion is…
(そこで、改めて結論を申し上げますと—)

また、最後に今後のAction plan (アクションプラン)などを提案して、自らイニシアチブをとりながら締めくくることも忘れないようにしましょう。先に紹介したブレーンストームは往々にしてこのアクションプランなどの段階で始まります。

多くの人がブレーンストームに参加すれば、聞き手はあなたの提案やプレゼンテーションに興味を持った証拠となり、ここでの発言が多ければ多いほど、あなたの提案が評価されていることになるのです。従って、ブレーンストームを恐れずに、その起爆剤となる質疑応答の機会をちゃんと設けることも忘れないようにしたいものです。

Do you have any questions?(質問はありますか)

といって、正に自らが司会者として、参加者から意見や質問を募ります。こうしたことへの対処の仕方については、別の機会に詳しく紹介します。そして、最後に会議に参加してくれた人にお礼をいって締めくくります。

Now, my presentation is over. Thanks again for your support and I really appreciate your opinion and feedback. Thank you.
(これで私のプレゼンテーションはおしまいです。サポートいただきありがとうございます。皆さんの質問やフィードバックにも、心から感謝します。どうもありがとうございました)

というような言葉でしめくくるといいでしょう。

次回は一度、中東の旅日記を紹介します。そのあとで、質疑応答やプレゼンテーションでの心がけについてさらに詳しく触れてゆきます。

それではまた。See you!!

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