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同性結婚とアメリカ大統領選挙

【海外ニュース】

“Johnny Weir, 27, married Georgetown Law graduate, Victor Voronov, 28, in an early morning civil ceremony at the New York City Courthouse on Friday, Dec. 30, 2011,” said Weir’s rep. (People Magazine より)

ジョニー・ウェア (27歳) が、ビクター・ボロノフ (28歳) というジョージタウン大学出身の弁護士と、ニューヨーク市の市庁に昨年12月30日に婚姻届をだしたと、ウェアの代理人が発表した。

【ニュース解説】

ジョニー・ウェアは、アメリカのフィギュアスケートの選手で、その中性的な美貌で人気がありますね。そして、彼はゲイだったのです。そのことを去年発表し、長年つきあっていたビクターという弁護士の男性と結婚。おめでとうございます。

同性愛の結婚、(英語では same sex marriage) を認めるかは、アメリカでは長年議論が絶えませんでした。分権主義 (decentralization of power) を尊重するアメリカでは、これを認める州と認めない州とがあって、ジョニー・ウェアが婚姻届を出したニューヨーク州ではOKというわけ。

ここで、ちょっと今年の大統領選挙をのぞいてみましょう。
保守党として知られる共和党の候補にロムニー (Mitt Romney) という人がいますよね。彼は共和党の中ではリベラルなほうで、同性愛の結婚には柔軟だったんです。でも、彼がマサチューセッツ州知事のとき、共和党支持者を気にしてか、同性愛の結婚を合法化 (legalize) する要望に、いきなり難色を示したのです。
結局、その法律は2004年に可決され、マサチューセッツ州はアメリカで同性愛の結婚を認めた最初の州となったのでした。

さて、経済や社会不安の続くアメリカで、民意が保守的になりつつあるなか、ロムニー候補はどんなスタンスで大統領選にのぞむのでしょう。風見鶏は政治家の常。風見鶏は英語では weathercock。Cock は雄鶏のことで、weather は天気ですから、正に文字通り風見鶏。

同性愛の結婚は、万人を平等にということで、人種差別を撤廃した公民権 (civil rights) の発想が、さらに進化したことから認められるようになりました。それだけに、今後公民権をどう解釈するかは、常に共和党と民主党の論戦など、多くの政治論争の原点となっているのです。

そう、ジョニー・ウェアの結婚は、そんなアメリカでのハッピーエンド。
政治の波は荒れていても、お二人の将来には、希望を。どうぞお幸せに!!
Long life and happiness to you both!!

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