タグ別アーカイブ: 異文化摩擦

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

グローバルスタンダードでの悲劇の後の対処とは

【海外ニュース】

‘We are looking at every inch of the sea’
Family members of passengers on Flight 370 are told to brace for the worst, as Malaysian authorities say they have found no sign of the missing passenger jet, two days on.

(CNN より)

「我々は海上の隅々までくまなく探しています」マレーシア当局のこの2日間行方不明者の安否に関する情報が何もつかめないという発表を受け、370便の搭乗者の家族は、最悪の事態への心づもりを。

【ニュース解説】

航空機の事故は痛ましいものです。
この記事が掲載される金曜日の段階には、行方不明となったマレーシア航空 370便の搭乗者の安否ついて、少しでもよい方向への進捗があることを祈っています。

今回は、このニュースを受けて、事故や悲劇がおきたときの、関係機関の対処の方法について、語ってみたく思います。危機や事故への対応を、グローバルなスタンダードに基づいて検証したいのです。
あってはならないことですし、できれば避けたいものですが、人が生きてゆく上で事故や悲劇はつきもの。それは、企業が予測しようが準備しようが、運命として容赦なく降りかかりうるリスクです。

まず、日本では、こうした事件がおきると、記者会見で会社の責任者が起立し、お詫びとともに、そろって頭を下げます。声明文もまず深いお詫びの一文からはじめます。しかし、これをそのまま英語に翻訳したり、グローバルな場に持ち込んだりすると、思わぬ誤解の原因になることをどれだけの人が知っているでしょうか。

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その一言が!乗り越えよう異文化摩擦

エグゼクティブ・コーチング(27) 海外企業経営:「忠誠心」ではモチベーションはあがらない

企業が海外に進出するときに気をつけなければならないことはなんでしょう?

海外に企業が進出するときに、相手の国の法律上の問題や、安全面での配慮などを気にする企業は多くあります。
ですから、ここではそうした一般的な課題には触れません。
それよりも、企業が現地で成功するために必要なマネージメントスキルについて語ってみます。

まず、必要なことは、現地の社員のモチベーションへの配慮です。
現地社員の離職率を下げ、この会社で働くことが、いかに本人にとってやり甲斐のあることかと実感できる会社になれるかがキーポイントです。
その時に、考えなければならないテーマが、ロイヤリティ、すなわち忠誠心という考え方です。
日本企業は、企業への忠誠心を向上させることと、社員のモチベーションを向上させることを同一視し、時には混同します。

しかし、この考え方は日本企業独特のもので、ビジネスに「忠誠心」というエモーショナルな価値観を持ち込むことが、逆に現地の社員のモチベーションを下げてしまうということもあるということに気付いている人は多くないのではないでしょうか。

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その一言が!乗り越えよう異文化摩擦

エグゼクティブ・コーチング(26): 日本人のお詫びの文化には本当に問題があるのでしょうか?

日本人は、謝罪をしすぎるといいます。そもそも、不祥事などがおきたとき、幹部がそろって記者団の前に頭を下げる行為自体、海外ではないのでしょうか。

記者団の前でそろって頭を下げる行為は、日本ならではの風習です。
確かに、日本人はお詫びをよくします。
その背景には、お詫びをすることで、相手の気持ちを鎮めることをまず優先しようという日本固有のコミュニケーション文化があることを知っておいて欲しいのです。

例えば、身分制度がしっかりと規定されていた江戸時代、身分の高い者への無礼は命のリスクをも伴うものでした。
ですから、何か問題を指摘されたら、まずは謝って相手の気持ちを鎮めることが優先されました。
また、農耕社会である日本では、伝統的に集団で行動することが義務づけられ、個人の理由で、集団行動から外れることはタブーでした。
従って、人と異なったことをして咎められたときは、まずその集団からつまはじきされないように、お詫びをして相手の気持ちを鎮め、和を保つことが、個人としても組織としても、とても大切だったのです。

この考え方は、明治時代になっても受け継がれ、さらに日本が民主主義国家となった戦後にも、人々の意識の中に深く刻み込まれたまま、遺伝していったのです。

ですから、例えば法人に不祥事がおきたり、事故が発生したりすると、立場が上の集団である顧客に、または一般の株主に、さらには社会全体に対して、まずは何をおいてもお詫びをして、集団から疎外されないように努めるのです。

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「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

本田圭佑のミラノでのインタビューが語るもの

「本田圭佑のミラノでのインタビュー、どう思った?」

今日、私のオフィスにやってきたあるアメリカ人に質問しました。
私は、本田が英語には多少間違いはあったものの、堂々と対応したこと、AC Milan へ の敬意を地元の人々の前で語ったことなど、よかった点をまずコメントし、彼の意見を求めました。

すると、彼はいきなりこういいました。

「ねえ。本田がインタビューを受けたぐらいで、日本人はどうしてそんなに騒ぐんだろう。しかも、彼が英語で応対したということで誰もがすごいなっていっている。日本人にとって、海外で英語で喋ることがそんなにすごいことなんて、ちょっとびっくり。これってごく当たり前のことなのに」

思わぬフェイントにちょっと驚いたものの、確かに彼のいいたいことは理解できます。

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「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

「型」に代表される文化の長短

日本人には「型」を学ぶという価値観があります。
元々、武道、それに能や歌舞伎といった舞台芸術、さらには茶道などでも、型を習得することは、物事を学んでゆく大切なプロセスでした。
ある意味で、「型」は日本文化の表現形式であり、日本独特の美学であるともいえそうです。
そして、現代社会でも「型」は、名刺交換でのマナーなど、様々な常識の中に定着しています。

この「型」を巡って、欧米の人とした会話は印象的でした。

「日本人は、なんでも道 (どう) という単語をつけてものを習いますね」

その人はアメリカは西海岸に住む友人で、日本語も堪能です。

「例えば、茶道や花道、武道、あげくの果てには野球ですら野球道という人がいるほどですよね」

「道 (どう) の概念は、精神的なもの。一つのことを徹底的に極めてゆくための修行、鍛錬、さらにはそうした行動を積み重ねることで生まれる精神的な深みへの追求を総じて道 (どう) という言葉であらわすのです」

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