タグ別アーカイブ: 異文化摩擦

その一言が!乗り越えよう異文化摩擦

エグゼクティブ・コーチング(14): 長い列の中で待たされた時、Thank you for waiting. といわれました。彼らは謝らないのですか?

例えば、チケットカウンターで長い列の中で待たされ、自分の番がきたとき、アメリカで Thank you for waiting. といわれました。日本人としては I am sorry for waiting. といって欲しいのに。ここでも彼らは謝らないのですか?

I am sorry という表現については既に何度も説明を行いました。
ここで、特に解説したいことは、どのような意識でアメリカ人が sorry というかわりに Thank you といっているかというテーマです。

この Thank you for waiting. という表現は、
Thank you for your patience.
という表現にも置き換えられます。

すなわち、話し手は、相手が長い列にもめげずに自らのサービスを買うために我慢してくれたことに感謝しているのです。
それに対して、I am sorry for keeping you wait とか単純に I am sorry for waiting. という場合は、相手が長い列に並んだことに対する不快感などにたいしてお詫びしていることになります。

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エグゼクティブ・コーチング(2): 英語で問題点を指摘するとき、「ちょっと問題があるのですが」といっても構わない?

英語で問題点を指摘するとき、
「ちょっと問題があるのですが」といっても構わない?

この表現、そのまま英語にすれば、誤解の原因となるかもしれません。

日本人が日本人の意識に基づいて英語を話すとき、最もありがちな過ちはときかれても、そんな事例はたくさんありすぎて、一つ一つ例を挙げればきりがありません。
しかし、共通していえることは、日本のビジネス文化に基づいて、ただ日本語を直訳しても、相手に伝わるときには、期待した通りに自らの意思や意図が伝達できないことが多いということです。

表題の事例はその典型。
日本人は、大きな問題があっても、なかなか目を剥いて両手を上げながら「大問題だよ」と公式な場所では言いません。
身内の間であればともかくも、やたら問題点を振りかざすことは、却って人と人との和を乱す行為と考えられるリスクがあるからです。そんなことをすれば、時には物事をわざと大袈裟に表明していると誤解されることすらあるかもしれません。
こうした日本人の行動の背景には、「遠慮」や「謙遜」という日本人独自の価値観が働いています。そしてこれらの価値観に従って、相手とコミュニケーションをすることが、相手との人間関係を維持する上で大切だと考える日本人は、敢えて大きな問題があっても、口頭では「ちょっと問題で」といいう風に表現して、トーンを抑えてしまうのです。
もちろん、同じコミュニケーション文化を共有する日本人同士であれば、そのように言われた場合、それが結構深刻な問題であるということは、容易に推察できるのです。

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エグゼクティブ・コーチング(1): スピーチのときに、英語の拙さへのお詫びは必要?

今回から、今まで4000名以上の企業エグゼクティブへのコーチ、コンサルティングの内容を、実際の質問やアドバイスの実例にそって紹介します。海外でのビジネス、留学、時には旅行などでも実際に起こる異文化が故のコミュニケーションの課題、誤解のプロセスについての、実践に即したアドバイス集です。是非皆さんからの実例やニーズも、私の Twitter にコンタクトしてください。日本人にとってのグローバルなコミュニケーションのあり方について、ご一緒に考えてゆきたいと思います。

人前でスピーチをするときに、まず自分の英語が拙いことを言っておいた方がいいのではという質問は、私が長年この仕事に携わっているときに、最も頻繁に受ける質問です。

答えは否です。全く必要はありませんと言い切っておきましょう。
何故日本人は自分の英語ができないことを謝るのでしょう。それは、日本文化に謝ることへの「美徳」があり、日本人は常に相手との「和」を優先するために、相手に迷惑かけているのではという危惧に対し、過敏にまで反応するためかもしれません。

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その一言が!乗り越えよう異文化摩擦

「その一言が!乗り越えよう異文化摩擦」エグゼクティブ・コーチング目次

4000名以上の企業エグゼクティブへのコーチ、コンサルティングの内容を、実際の質問やアドバイスの実例にそって紹介。海外でのビジネス、留学、時には旅行などでも実際に起こる異文化が故のコミュニケーションの課題、誤解のプロセスについての、実践に即したアドバイス集です。

  1. スピーチのときに、英語の拙さへのお詫びは必要?
  2. 英語で問題点を指摘するとき、「ちょっと問題があるのですが」といっても構わない?
  3. 欧米の人から日本での活動についての提案を断るとき、I think it is difficult. と言ってはいけないのですか?
  4. 日本の特異な事情を説明するときに Japanese market is unique. というのは適切でしょうか?
  5. 会議の場で、自分の意見と全く異なる提案があったとき Let’s discuss it later. と言って、その場をしのぎたいのですが。
  6. 相手の提案を断るとき、I apologize という表現でお詫びをいれてもよいのでしょうか?
  7. 英語でプレゼンテーションをするとき、一般的な話題からはじめてもよいのでしょうか?
  8. 英語で相手にすぐ対応してほしい大切なビジネスメールを送るとき、相手の注意を喚起するとき、urgent and important という表題を付けていいのでしょうか?
  9. I will do my best. といって相手の要望を承諾しても構わないのでしょうか?
  10. 相手に何かすすめるとき、You had better— という表現を使って大丈夫でしょうか?
  11. 日本のことを説明するとき、We Japanese という表現を使っていますが大丈夫でしょうか?
  12. 英語でプレゼンをしているとき、相手から質問をされ、答えがわからないとき、丁重に I am sorry. My preparation was not enough. といって、準備不足のお詫びをするべきなのでしょうか?
  13. アメリカの市場に関して、アメリカ人のものの考え方に触れるとき、Americans are — と書くのは問題ない?
  14. 長い列の中で待たされた時、Thank you for waiting. といわれました。彼らは謝らないのですか?
  15. その場で相手の提案などに反応するのは軽率だと思った場合、I need to think about it deeper. と答えてよい?
  16. 東海岸に大きな被害をもたらしたハリケーンを、新聞が Frankenstorm (フランケンシュタインとの造語) と表現するのは不謹慎ではないですか?
  17. 日本人はなぜか親しくなると相手の年齢をききたがります。アメリカ人にも How old are you? と聞いてもいいのでしょうか?
  18. アメリカの人が何か提案してきたときに、いきなり Why? (なぜ) と問いただすのは失礼かと思うのですが。他のたずね方はあるのでしょうか?
  19. エグゼクティブ・コーチング (シリーズ半ばの一休み、そしてぼやき)
  20. 英語で何かいいたいとき、それを考えている間に相手がどんどん喋りだし、自らの意見をいえない
  21. 日本人は完璧に物事を進めようとしすぎるという指摘があります。それが具体的にどのような海外との摩擦になるのでしょうか?
  22. 何か会話をしようと思っても、相手がどんどん喋ってきて、その対応におわれてそれで全てが終わってしまうことがよくあります。どのようにすればいいのでしょうか?
  23. アレ?と相手に不信感を抱いたときに知っておきたいこと
  24. 誤解される日本人。失言と捉えられる背景とは
  25. 日本を紹介するノウハウについて (その1): 日本の「お国自慢」のリスクと落とし穴
  26. 日本を紹介するノウハウについて (その2): 「おもてなし」の心を本当に理解してもらい、喜ばれるには
  27. 日本人のお詫びの文化には本当に問題があるのでしょうか?
  28. 海外企業経営:「忠誠心」ではモチベーションはあがらない
  29. 英語で海外の人と交流を深めるためのコツがあれば、教えてください。
  30. 社内の人材開発において、あるいは一般的に、今日本の英語教育に求められるものは何ですか。
  31. 日本人とアメリカ人とのコミュニケーション文化の違いが、実際に誤解の原因となることがあるのですか?
  32. どんな表情が曖昧な表情とおもわれるのでしょうか?
  33. 日本人が世界で英語を使って自らの意思を表明するにはどのような配慮が必要なのですか?
  34. 会議の場などで、相手が何か提案をしたとき、その場でそれに異議を唱えることは本当に失礼ではないのですか?
  35. 日本人の「おもてなしの精神」って本当に海外に売り込めるのですか?
  36. アメリカ (欧米) との交渉術について特に知っておきたいことを教えてください。(その1)
  37. 英語を使って意思を伝えるとき知っておきたいことがあれば教えてください。
  38. 日本人が知っておきたい国際舞台でのタブーとその回避術とは

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