タグ別アーカイブ: 移民

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

ドナルド・トランプはアメリカという潤滑油を維持できるのか

【海外ニュース】

Mr. Obama is leaving near the peak of his popularity, yet many of the voters who made Mr. Obama the nation’s first black president chose to replace him with a man who had peddled racially incendiary suggestions that he might not have been born in this country.
(New York Timesより)

オバマ氏はその人気のピークを迎えながらオフィスを去ろうとしている。アメリカ発の黒人の大統領を選んだ多くの有権者が、今度はオバマ氏がアメリカ生まれではないのではといいながら、人種問題を扇動しまわる人物を選んだにもかかわらず

【ニュース解説】

この記事は今回の大統領選挙を皮肉っぽく解説しています。
アメリカでは、大統領はアメリカで生まれた人物しかなれないと規定されています。大統領に選ばれたドナルド・トランプ氏は、以前オバマ氏はアメリカ生まれではないのではと発言し、初の黒人大統領を牽制したことがあったのです。
そして、この記事からも読み取れるように、今回の選挙の前後、アメリカは大きく分断されたといわれています。

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

ヨーロッパの理想と本音に左右されるシリアからの難民問題

【海外ニュース】

Migrant Chaos Mounts While Divided Europe Stumbles for Response
(New York Timesより)

難民の混乱がふくれあがるなか、ヨーロッパは分断され、対応に苦慮

【ニュース解説】

トルコの海岸に三歳のアイアン・クルディ君の遺体が漂着したことは、内戦の続くシリアからの難民の悲劇の象徴として、世界中に大きな衝撃を与えました。
既に一年以上前からこの難民の問題は、欧米では常に大きな問題として報道されてきました。元々、移民問題に鈍感な日本も、今回の悲劇でやっとマスコミが本腰をいれて報道をはじめたようです。

シリアや北アフリカを中心とした地域から戦火を逃れ、ボートに乗って海を渡ろうとする人々は既に30万人をこえ、収束のメドはたっていません。クルディ君の事例だけではなく、漂流の最中の海難事故による犠牲者も数えきれず、地中海に面した EU諸国ではその対応に苦慮しています。
さらにこの問題は、ギリシャなどの経済問題で揺れるEU全体に、新たな政治的な課題を突きつけているのです。

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アメリカ大統領選挙の争点とは

【海外ニュース】

Vice President Joseph R. Biden Jr. and his associates have begun to actively explore a possible presidential campaign, which would upend the Democratic field and deliver a direct threat to Hillary Rodham Clinton. 
(NY Timeより)

ジョセフ・バイデンと彼の関係者は、大統領選挙への出馬を積極的に検討。これは民主党の大統領選挙への大きな変化となり、ヒラリー・ロッダム・クリントンへの直接の脅威となるようだ

【ニュース解説】

来年のアメリカでの大統領選挙 a presidential election を巡っては、共和党 The Republicans ではメキシコ系移民の排除などを歯に衣着せず言明し、毒舌によって却って人気を集めている Donald Trump が、どちらかというと穏健派として知られる Jeb Bush を脅かすなど、その混戦模様が話題となっています。

そうした中で、民主党 The Democrats はといえば、圧倒的な人気を博す、Hillary Rodham Clinton がアメリカ発の女性大統領を目指して独走しているような印象を与えていました。しかし、ここにきて、現職の副大統領の Joseph R. Biden Jr が立候補するのではという憶測が流れ、状況が一挙に混沌としてきたのです。

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

「イギリス」でなくなったロンドンとは

【海外ニュース】

‘British whites’ are the minority in London for the first time as census shows number of UK immigrants has jumped by 3 million in 10 years
(Mail Online Newsより)

ロンドンでは、白人系の人がついにマイノリティに、国勢調査ではこの10年間で移民の数は300万人増加

【ニュース解説】

イギリスの空の玄関口、ヒースロー空港に着いた人の多くは、そこからヒースローエクスプレスという電車に乗り換え、ロンドン市内にあるパディントン駅に到着します。
駅から、ハイドパークに向けて南下する大通り。道の両側はイラク、レバノン、イランなど、中東系の商店や飲食店が並び、喫茶店では街の往来を眺めながら水タバコを楽しむ人々をよくみかけます。
また、広大なハイドパークと、隣接するケンジントンパークを歩き、そこに憩う人々をみていると、いかに多くの移民が生活しているかを実感します。

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「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

ファーガソンの暴動から語れること

Ferguson Update. A Peaceful Thanksgiving
(St Louis Post Dispatchより)

ファーガソンの最新情報。感謝祭は異常なく

アメリカはミズーリ州の郊外にあるファーガソンで、マイケル・ブラウンという黒人少年が白人警察官に射殺され、その白人警察官が訴追されなかったことから、地元では抗議の暴動がおきたことは、日本でも報道されています。
折からの寒波の中、街は一時騒然。人種間の緊張と、鬱積する黒人系の住民の怒りがどう拡大してゆくか、まだ予断を許しません。
犯罪者と誤認してマイケル・ブラウン少年を撃った警察官の行為が正当だったのかどうか、過剰な攻撃ではなかったか。今後も様々な角度からの調査は続きます。しかし、少なくともミズーリ州では、法的に警察官は無罪という判断がくだされたのです。
そんな中、ある人からアメリカでの人種差別について質問を受けました。そのやり取りをここに紹介します。

「アメリカでは今でも黒人と白人との対立が深刻だね」

「というより、貧しく犯罪率の高い地域に住む人と、そうでない人との対立が常にくすぶっているという方が正しいんじゃないだろうか」

「でも差別は矢張り根強いんでしょ」

「アメリカは巨大な実験場だからね」

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