タグ別アーカイブ: 移民

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

「イギリス」でなくなったロンドンとは

【海外ニュース】

‘British whites’ are the minority in London for the first time as census shows number of UK immigrants has jumped by 3 million in 10 years
(Mail Online Newsより)

ロンドンでは、白人系の人がついにマイノリティに、国勢調査ではこの10年間で移民の数は300万人増加

【ニュース解説】

イギリスの空の玄関口、ヒースロー空港に着いた人の多くは、そこからヒースローエクスプレスという電車に乗り換え、ロンドン市内にあるパディントン駅に到着します。
駅から、ハイドパークに向けて南下する大通り。道の両側はイラク、レバノン、イランなど、中東系の商店や飲食店が並び、喫茶店では街の往来を眺めながら水タバコを楽しむ人々をよくみかけます。
また、広大なハイドパークと、隣接するケンジントンパークを歩き、そこに憩う人々をみていると、いかに多くの移民が生活しているかを実感します。

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「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

ファーガソンの暴動から語れること

Ferguson Update. A Peaceful Thanksgiving
(St Louis Post Dispatchより)

ファーガソンの最新情報。感謝祭は異常なく

アメリカはミズーリ州の郊外にあるファーガソンで、マイケル・ブラウンという黒人少年が白人警察官に射殺され、その白人警察官が訴追されなかったことから、地元では抗議の暴動がおきたことは、日本でも報道されています。
折からの寒波の中、街は一時騒然。人種間の緊張と、鬱積する黒人系の住民の怒りがどう拡大してゆくか、まだ予断を許しません。
犯罪者と誤認してマイケル・ブラウン少年を撃った警察官の行為が正当だったのかどうか、過剰な攻撃ではなかったか。今後も様々な角度からの調査は続きます。しかし、少なくともミズーリ州では、法的に警察官は無罪という判断がくだされたのです。
そんな中、ある人からアメリカでの人種差別について質問を受けました。そのやり取りをここに紹介します。

「アメリカでは今でも黒人と白人との対立が深刻だね」

「というより、貧しく犯罪率の高い地域に住む人と、そうでない人との対立が常にくすぶっているという方が正しいんじゃないだろうか」

「でも差別は矢張り根強いんでしょ」

「アメリカは巨大な実験場だからね」

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

アメリカとメキシコの切れない「縁」

【海外ニュース】

Waves of immigrant minors present crisis for Obama, Congress
(ロイター通信)

未成年移民の波が、オバマ政権、議会に波紋を

【ニュース解説】

今、私はメキシコ中部の古都グアダラハラを訪問しています。
いつも驚かされるのが、一旦メキシコに入国すると、英語がほとんど通じないこと。
例えば、日本でも隣国の言葉である韓国語や中国語はなかなか通じませんが、メキシコの場合はアメリカと陸続き。しかも、歴史的にも現代においても、この二つの国は、国境を接する他の国々の事例と同様に、密接に関わっているのです。
そもそも、アメリカの南西部、西海岸の都市の名前が、ロサンゼルスやサンフランシスコというように、ほとんどメキシコの国語であるスペイン語であることからも、その状況は容易に想像できます。

さて、今回滞在しているグアダラハラは、メキシコの文化を代表する都市。テキーラやメキシコ人にとっての演歌ともいえるマリアッチも、この周辺で産声をあげました。
そんな古都を歩いていると、アメリカという国の存在が遠くに見える錯覚に陥ります。しかし、そんなメキシコとアメリカとの間には、いま不法移民の問題が深刻に横たわっているのです。

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山久瀬洋二の日常と旅日記

旅日記 (6) ドストエフスキーとグリニッジ・ヴィレッジのサモワール

サンクトペテルブルクにあるドストエフスキーが住んでいたアパートのすぐそばに、食品市場がある。
ドストエフスキーもそこに立ち寄って黒パンに紅茶を買っていたかもしれないなどと思いながら、売り場を巡った。
白衣に白いスカーフをかぶったおばさんが並んでいるところでは、にしんの薫製やイクラなどを売っている。
イクラはロシア語でもイクラ。
そんなことを覚えたのは、ニューヨークはブルックリンにあるリトルオデッサでのことだった。
リトルオデッサとは、ニューヨークのブライトンビーチにあってウクライナやロシアからの移民が集まり住む地域のこと。そこにも、サンクトペテルブルクにあるものと同じような食料品店があって、お目当てのイクラも売っている。

90年代、リトルオデッサで買うイクラは極めて安かった。
確か、タッパーにぎゅうぎゅうに詰めてもらっても、20ドルもしなかったはずだ。だから、不謹慎な話だが、余ったイクラはニューヨークのアパートにいた愛猫の垂涎の的となった。
ブライトンビーチはブルックリンの突端にあって、大西洋に面している。
それは丁度浅草の花屋敷を大きくしたようなレトロな遊園地、コニーアイランドの隣に位置している。
コニーアイランドでの食といえば、ポーランドからの移民が19世紀の終わりにソーセージをパンにはさんでそこで売り出したところ人気を博し、瞬く間にアメリカ中に広がった食べ物がある。ホットドッグのおこりである。

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

15歳の少年受刑者を拷問したアメリカ軍

【海外ニュース】

Khadr, 26, landed at the Trenton military airbase early Saturday after a flight from Guantanamo Bay. American officials formally transferred Khadr into Canada’s care, bringing to an end U.S. involvement in the decade-long case.(トロント・スターより)

カハードル26歳はグアンタナモベイから飛び立った後、日曜日早朝にトレントン空軍基地に到着。アメリカは正式にカハードルをカナダ側に引き渡し、この10年来のケースの幕引きを行った。

【ニュース解説】

アメリカ、カナダ、さらにはイギリスやフランス、ドイツ、加えてロシアや中国もいれた世界の主要国と日本との違いを一つ挙げるならば、複雑な人種や移民模様の中で国家が成り立ち、それ故に世界情勢と国家の事情とが時には直結し、絡み合っているということです。逆に、こうした世界のリンクの外でものを考えることが、日本の外交や世界への理解の盲点になっています。

この見出しが語ることの背景は複雑です。

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