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スポーツとK-POPは、日韓関係の未来の証か

“For ardent nationalists on either side of the water, it could be a red rag to a bull, but it proved a watershed moment for the K-pop industry. The three Japanese girls and their teammates in TWICE are arguably the busiest stars in Korea.”

(海の両側、双方の熱狂的なナショナリストにとっては許しがたいことかもしれないが、これはK-POPの転換点である。TWICEの三人の日本人少女とチームメイトは、確かに韓国で最も忙しいスターなのだ)
朝鮮日報英字版(一部訳のために編集)より

このヘッドラインを解説する前に、平昌オリンピックの美談として、スピードスケートの女子500メートルで優勝した小平奈緒選手と銀メダルとなった韓国のイ・サンファ選手との友情が話題となっていることを振り返ります。
小平選手が涙を流すイ選手に韓国語でyou did great job(とてもよかった)とエールを贈ったことがメディアやSNSで取り上げられていることは周知の事実です。
朝鮮日報などの韓国のメディアでも、このことはとかくギクシャクする日韓関係を変えてゆくものだと前向きに報道しています。
 
スポーツの世界は政治とは無縁というのは、単なる神話の世界でした。
実際は、オリンピックは国威発揚の場として位置付けられ、ナショナリズムを謳歌するイベントとなっていました。
 
biasという英語があります。biasとは先入観や偏った意識を意味し、目に見えたり聞こえてきたりする対象物を、ちょうどプリズムのように歪めて認識することを表現する単語です。このbiasが実際に意識の中で固定化してくると、それがprejudice(偏見)となり、さらに行動で表されたときにdiscrimination (差別)となるのです。biasとはstereotype、すなわち固定観念を生み出す意識ともいえるのです。
これらの言葉の全てが当てはまり、政治問題化する日韓関係ではあるものの、今回の小平選手とイ選手の美談は、政治家が何回両国を往復しても成し得ない、双方の心の中にある希望に明かりをともしてくれたものといえましょう。
 
そこで今回のヘッドラインに戻ります。
今回のヘッドラインは、平昌オリンピックとは無縁の記事です。これは、TWICEというK-POPのグループの人気が急上昇しているということを報じた朝鮮日報の記事です。わかりやすく解説するため、一部編集したことをご了承ください。
 
この女性グループで活躍しているのは、韓国人、日本人、そして台湾人の国際チームです。しかも中にいる三人の日本人が特に人気で、K-POPのヒットチャートの1位に輝いているというのです。
実は、政治の問題は過去にTWICEにも陰を落としました。
チームの一人である台湾の少女が台湾の国旗を振っていたことが、緊張関係にある中国で問題となり、韓国のオフィシャルなエージェントに所属する「中国人」歌手が台湾の国旗を振るとは何事だという厳しい批判にさらされたのです。これに、台湾の自立を目指す人々が怒りを表明し、若者のパフォーマンスだけでは済まされなくなったのです。実際、自らの活動が中国から締め出されることを懸念したのか、このグループを運営するJYPエンターテインメントは、中国に対し謝罪までしたということです。
 
しかし、その後彼女らのパフォーマンスが若者のサポートを得て、人気が急上昇。韓国では、日本人の歌手が加わると人気が陰るのではと思う人も多かったようですが、そんな懸念もはね飛ばす勢いとなったのです。
メンバーの一人湊崎紗夏(みなとざきさな)の歌と踊りに、韓国人の若者は首ったけになっていると同紙は報じています。
 

“The three girls are the first of their kind. We are going to see more like them.”

(三人の日本人少女が活躍。こんなことは今までにはない。これからはこうしたケースが増えてくるだろう)

と同紙はまとめ、日韓関係の将来はこうした若者によって違ったものになるはずだと評論しています。
そして、TWICEは日本でも注目を集めはじめ、紅白歌合戦でも多くの人を魅了しました。
 
小平選手とイ・サンファ選手との友情、そしてこのK-POPでの現象の双方にいえること。それは、とかく過去にどちらが何をしたという政治でのみずかけ論を若者がさめた目で見ながら、良いものは良いという判断で未来を見つめていることでしょう。
また、よりグローバルな視点で多国籍の少女を選びグループにしたJYPエンターテインメントのbiasのリスクを乗り越えた先見性にも拍手です。
こうした灯が、心ない人の吹く息で消えないよう、大切に暖めてゆきたいものです。

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