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世界で働くための5つのステップ

アメリカ出張から帰国し、まだ時差ぼけ。忙しさを言い訳に、アメリカでは次のブログを書けなかったことをお詫びします。では本題に。

今日までは、具体的な英語の研修ではなく、その背景について語ります。

現在、例えどこでビジネスを行うにしても、英語が世界の言語として位置づけられていることは変わりません。

そうであれば、日本人も海外に行けば、まずは英語でコミュニケーションをすることを要求されます。言い換えれば、世界中の様々な異文化環境に英語をもって飛び込んでゆかなければならないのです。

異文化を理解するということは、英語を使いながら、その表現の方法や、表現に付随するジェスチャーやポーズのおきかたなど、総合的なコミュニケーションスタイルを、その地域の特性に合わせて使っていかなければならないことを意味しています。

Observe→Interview and learn→Experience

異文化を理解するには、上記の「観察→聞き取り相手の文化を理解する→体験する」というプロセスが必要です。
しかし、観察する前に、人は既に異文化環境で揉まれ、時にはミスをおこします。そのときに、どうしてミスがおきたのかを客観的に理解するために、観察からのプロセスにはいるのです。

このプロセスには5つの段階があります。
ここに、日本人がアメリカに駐在したと想定して、この5段階を説明してみましょう。

第一段階 ハネムーンの段階

日本からアメリカにはじめて行けば、まずあらゆるものが目新しく、好奇心をもって周囲を見ます。そして時には日本にない色々なものに接して感動すら覚えるでしょう。これをハネムーンの段階と呼びましょう。

第二段階 衝突の段階

さて、その後アメリカ人と仕事を進めてゆくなかで、「あれ?」と思うことが何度もおきます。木の根にあたる部分に違う価値観を持つ彼らに接するとき、日本の常識や価値観に従ってコミュニケーションを進めると摩擦がおきたり、誤解が膨らんだり。次第にあなたは疲れてきます。そして時には怒りを覚えることもあるでしょう。例えば「アメリカ人はなんて横柄なのだ」というふうに。
これが、異文化との衝突の段階です。

第三段階 帰属の段階

この後が大切です。というのも、このままだと、アメリカ人と信頼関係をもって仕事をすることが不可能になるからです。そこで、試行錯誤を繰り返しながら、「やっていいこと、やっていけないこと」などの様々なノウハウと、そうした行動規範が育まれた背景を勉強します。やがて、あなたは、彼らの価値観に合致したアプローチができるようになるはずです。
これが、異文化への帰属の段階です。

第四段階 カウンターカルチャーショックの段階

しかし、この段階であなたは日本のことを忘れています。アメリカのビジネス文化に浸かっている内に、時にはそれがわからない日本人に腹をたてたり、自らの立ち位置を守るために今までになく強く日本側にアプローチしたりすることもあるでしょう。あなたは、否応無しに、日本のビジネス文化を改めて見つめなければならなくなります。こうした環境の中でおきるフラストレーションの段階が、カウンターカルチャーショックの段階なのです。

第五段階 グローバル化の段階

そして、最終的には、日本とアメリカとでアプローチの方法をうまく変化させ、双方の文化のなかで自らをうまく泳がしてゆくコツを把握できればしめたものです。それぞれの文化環境の中で、お互いを客観的に見ながら、それぞれの文化に帰属する度にちゃんと自らのスタイルをスイッチさせてゆくことで、日米双方の間に立って仕事ができる人間として成長してゆくのです。そして、この体験から得られたノウハウは、アメリカのみならず、他の国での異文化に接したときにも応用することができるはずです。この最終段階が英語で異文化のギャッップが処理できる段階、すなわちグローバル化の段階なのです。

残念なことに、多くの人が異文化との衝突の段階、異文化への帰属の段階、そしてカウンターカルチャーショックの段階でストップしてしまいます。
例えば、アメリカとの出会いを例にとれば、英語はうまいものの、アメリカが嫌いでその批判に終始するような人や、逆にいわゆるアメリカ万歳とでもいうように、何かというと日本をアメリカと比較して批判してしまう人などは衝突や帰属の段階、さらにはカウンターカルチャーショックの段階で留まっている人なのです。

英語で異文化のギャップを処理してゆくためには、この最初の4つの段階をクリアして、なんとしてでも5つ目の段階に自らを進化させたいものです。

そうした意味で、このブログで紹介する様々なノウハウは、5段階目に自らを上げてゆくために、欧米という異文化の中で、いかに日本的なコミュニケーションにこだわらず、スタイルスイッチを行い、欧米の人たちの心に自らの思いを伝えることができるかというテクニックだったのです。

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