「英語で一言」シリーズ

トミー・リー・ジョーンズがハリソン・フォードに言った “I don’t care!” という一言


1993年に公開された「逃亡者」という映画。
その中で無実の罪で死刑を宣告された医師リチャード・キンブルを追い詰めるジェラード警部を演じたが、トミー・リー・ジョーンズでした。
彼は、ダムの淵までリチャード・キンブルを追い詰め、降伏するように銃を向けます。
そのとき、ハリソン・フォード演じるキンブルは、ジェラード警部に向かって、
“ I didn’t kill my wife!”
と、語りかけます。

それに対して、ジェラード警部が言った一言が、
“I don’t care!”

彼は United State Marshal (連邦保安官) のオフィサー。彼の仕事は被告人を監視することでした。

私は、この I don’t care. の一言が、いかにもアメリカらしい、そして重みのある言葉として、心に残りました。
直訳すれば、「私の知ったことじゃない」。ここでは「それは私には関係のないことだ」という意味で使われています。

つまり、自分の職務は逃亡する被告人を逮捕することで、被告人の有罪か無罪かを調査することではないという意味が、この一言に込められているのです。キンブルはえん罪で死刑囚になっています。その切なる叫びを聞いた瞬間に、ただ I don’t care! と言い放つジェラード警部。
「Business is business. 仕事は仕事」、個人の感情とは切り離し、自分は職務に忠実なオフィサーであるということも、言外に語られていたのでしょう。

大切なことは、こうした全てを含み、I don’t care! と一言で言い放つ英語という言語のストレートさを、ここで味わって欲しいのです。

トミー・リー・ジョーンズは、この映画でアカデミー助演男優賞を獲得しています。この名台詞を口にした瞬間の彼の表情と、そのクールな態度は、正に名演技であったといえましょう。

友人との会話などで、「おいそんなことをしたら、世間がなんていうか」などと忠告を受けた時、「I don’t care!」と言い放ってみたいもの。

ところで、この言葉をちょっと変えて、 Who cares? と言えば、「誰も気にもとめないよ」、さらには「心配するな」という表現になります。

“We must be careful to announce this news.”
“Who cares?”

といった風に使います。

映画で語られるちょっとした一言から、英語ならではのクールな表現を実感するのも、楽しいものです。

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