英語でどう語る?「日本の文化」

「気配り」


前回の「おもてなしの精神」にも直結する「気配り」。
気配りがなければ、おもてなしはできないよね。
でも、この「気配り」に何故日本人はそこまで長けていると思っているのか。

実はそこには理由があるわけ。
だって、日本って島国でしょ。島国で、住人のほとんどは日本人。しかも、地方の自治といっても、教育制度をみるとわかるけど、全国津々浦々同じ教育のシステムで動いている。
つまり、それだけ同じ民族で、同じ制度を共有してくれば、自ずとお互いの物事への感じ方や、判断の基準が似てくるわけ。
だから、相手に接したとき、どう気配りをすればいいかが、実に解りやすい。ここが、多様な移民や民族の混在する大陸の国々とは大きく違うんだということを、まず知っておかなければ「気配り」の精神は、うまく説明できない。

ここで「気配り」を説明するにあたって、こうした日本の特殊性を意識し、あまり自慢げに説明しないことが肝要だ。

とはいえ、これはなかなか説明困難な概念。

まず、「気配り」を直訳するとどうなるだろう。
気配りとは、相手のへの配慮を意味するわけだから、例えば、“Showing consideration” としてみてはどうだろうか。
つまり、Kikubari means the concept of “showing consideration”.
からはじめてみよう。もちろん、さらに詳しい説明が必要。

ここで思い出して欲しいのが、前回の「おもてなしの精神」の項で使った attentiveness という単語。つまり、attentiveness が、「相手のことを思いやる」という意味をもち、気配りの考え方に非常に近いことを思い出そう。
しかも、「気配り」は、行動によって示す行為だ。
そこで、Kikubari must be shown through action. という文章を前において “attentiveness” の精神を解説してみる。

Kikubari must be shown through action. It begins with attentiveness and ends in showing consideration. In other words, kikubari is the behavior resulting from attentiveness to the feelings of others.

しかも、気配りは「さりげなく」する行動。
相手に「気をつかっているぞ!」と表現すると、それは逆に相手に気を使わせることになり、「気配り」の精神に反してしまう。
つまり気配りは「目立たない」、そそとした行為なのだ。
であれば、inconspicuous「目立たない」という単語があてはまる。
Kikubari is an inconspicuous sign of affection. なのだ。

かなり具体的になってきた。では、今までのところを全て、まとめて「気配り」を解説してみよう。

Kikubari means the concept of “showing consideration”. It must be shown through action. It begins with attentiveness and ends in showing consideration. In other words, kikubari is the behavior resulting from attentiveness to the feelings of others.

そして、気配りが控えめな行動だと説明する理由を述べてみる。つまり、なぜさりげなくしなければならないかを解説してみるとより、気配りの解説に深みがでてくる。Inconspicuousという単語を使って。

Let‘s say you wish to show someone consideration but you do it in a rather obvious way. The result may be that the other party feels a sense of obligation. Therefore, Kikubari must be an inconspicuous sign of affection.

では、次回は「和」の精神にチャンジしてみよう。

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