タグ別アーカイブ: 日韓関係

「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

日韓関係などにみる:各論の応酬が、負のスパイラルを加速させる

「おい、先週、なんで人の前で俺の顔を潰すような発言をしたんだ」

「何だって?あの時俺のことを蔑むように笑ったのはあんたじゃないか。だから僕は戸惑ったんだ。そもそも君がいけなかったんだ」

「蔑むって?だって、君だって僕を無視するように自分のことばかり喋っていたじゃないか」

「そりゃ、あんたの対応が本気なように思えなかったから、お客にちゃんと対応しようとして色々喋ったんだ。だって先月の顧客との会合だって、ドタキャンしたじゃないか」

「そんな言い方はないよ。無責任な言い方だ。そもそも、あれはドタキャンではない。あんたがいかにも来て欲しくなさそうなので、遠慮しただけだ」

「そんな風に人を信用していないお前こそ、無責任なもんだ」

「あんたこそ。そもそもそんなに俺の事が嫌いなら、俺と仕事なんてしなければいいじゃないか」

「ばかばかしい、私情を仕事に交えて話をするなんて、子供っぽすぎる」

「子供っぽすぎるって?俺はあんたのそんな傲慢な態度が許せないんだ」

いやな会話ですね。
でも、この会話をしっかり分析してみると、そこに人と人との行き違いのスパイラルがみえてきます。
最初に問題となったのは、一つの行為です。つまり相手の「顔をつぶすような発言」に対するクレームが喧嘩の発端です。
その行為に対して、相手はクレームを言った人の別の行為に対してクレームをつけます。つまり、それは「蔑むように笑った」という行為です。
さらに行為に対するクレームが続きます。「ドタキャンした」と。
そしてそのあたりから、お互いに本音が見えてきます。つまり行為ではなく、相手の性格や人格そのものが気に入らないという応酬が続くのです。

続きを読む

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

韓国の嫌日政策の本音

【海外ニュース】

Park offers North Korea massive aid
(Korea Times より)

朴大統領は北朝鮮に大幅な援助を提案

【ニュース解説】

日本の安倍首相が韓国のパク・クネ大統領に韓国語で挨拶をしても、彼女は極めて冷たく対応したというニュースは、韓国でも大きく報道されています。
「今回は、日本との関係改善はなかなかできないのでは。いつもと違って、お互いに相当深いわだかまりが積もっています」
ハンウルという政治問題などの出版を手がけているソウルの中堅出版社の顧問で元外交官のパク氏は、渋い表情のままそう語ります。
「日本は自らの行動で、韓国を中国にくっつけてしまったのです」
日韓の連携の重要さを説いてきた、同社のキム社長はそれを受けて、ため息とともに、そう付け加えました。

出張で上海を発ちソウルへ向かう日、上海の英字紙は朝鮮戦争の折に韓国に遺棄された中国兵の遺骨の返還式の模様を大きく取り上げ、中韓の最近の絆の強さを強調していました。ソウルの空港に着き、韓国側の新聞をみると、同じ記事が韓国の英字紙 Korea Times の一面にこれまた大きく掲載。その横に、今回紹介するヘッドラインをもとに、ドレスデンで講演するパク大統領の様子が紹介されていたのです。

続きを読む

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

韓国を取り巻くもの。それは今なお、日本と中国、そしてロシア

【海外ニュース】

Russian Railway Expand North Korean Connection
ロシアの鉄道が北朝鮮へ拡張
(The St. Petersburg Times より)

Park to push Eurasia Initiative discuss North Korea with Putin
朴大統領はプーチンと北朝鮮問題を語り、ユーロアジアでの連携を要請
(The Korea Herald より)

【ニュース解説】

最初のヘッドライン headline は、去る10月10日のロシアの新聞からです。それは北朝鮮の北東端、ロシアに接した羅先 (ナサン) まで、ロシアからの鉄道が整備され、正式に開通したというものです。
ナサンは北朝鮮にあって、外資に開かれた特別区として脚光を浴びる場所。ここで中国とロシアは北朝鮮との将来に向け投資を競っています。ロシア国内には、旧態依然とした共産主義体制に固執する北朝鮮への投資に疑問を抱く人も多くいます。Russian executives had mixed reaction to the experience of investing. (この鉄道への投資に関わったロシア人幹部には複雑なリアクションがあった) と、この新聞でも報道しています。
とはいえ、政治的にみた場合、北朝鮮の経済の牽引役ともなるナサンにくさびを打ちこんでおく利点は充分に理解できます。

そして次は、今月12日の韓国の英字紙の headline で、そこには朴大統領が北朝鮮問題で、ロシアとの連携を強化したいと、韓国を訪れたプーチン大統領にラブコールをおくった様子が報道されています。その中で、なんと彼女は、釜山からロシアへとつながる新たな鉄道ルートを開設しようと呼びかけ、その名前を Silk Road Express と名付けています。

続きを読む

山久瀬洋二の日常と旅日記

旅日記(4) 火山と殺戮、岩と繁栄

この島は、地中から吐き出された玄武岩でできている。
この島の女は逞しく、海に潜りアワビを採る。男はどちらかというとおっとりとしているという。実際、ガソリンスタンドなどで忙しく働く女性が目立つ。
そこは、太古は耽羅国と呼ばれた小さな独立国だった。
そんな昔から、人々は岩を削って像を造り、後年になって半島からの勢力に飲み込まれた頃には、石を積み上げて畑を囲み、墓場にも玄武岩を削った守り神をおいた。
そして朝鮮王朝時代には、トルハルバンと呼ばれる石像があちこちにたてられ、やがてそれが島のシンボルとなった。
太古の島の神は、火山島の神らしい暴れ者で、神話の時代に島の中央にある火山ハンラ山を蹴って岩を海に飛ばし、それが東に浮かぶ小島になったという。
モンゴルが日本に侵攻した頃は、朝鮮半島を統一していた高麗の一部として侵略に抵抗し、最後までゲリラ戦を展開し、将兵はここで玉砕した。そしてこの島はモンゴル軍の日本侵攻の補給基地となった。
以来、この島ではモンゴル産の馬の飼育が盛んになる。
他にも日本との繋がりは深い。昔は五島列島あたりから漁民が行き来し、時には島民との争いもおきたという。
その後、第二次世界大戦が終結し、日本の朝鮮半島の統治が終わる。朝鮮戦争へとつながる動乱の中で、1948年4月3日におきた民衆蜂起に端を発して、最終的には韓国から送られた反共組織や軍隊に6万人以上の島民が虐殺されるという悲劇がおきた。難を逃れた多数の人が、日本にやってきて大阪などで在日コリアンとして根付いていった。
最近になって韓国政府はその非道を謝罪する。
今、少なくとも表面上はそんな歴史の傷跡を島に見いだすことは難しい。それは古老の心の中に封印され、島はいわゆる東アジア経済圏のハブへと変身しようとしている。そして、島独自のことばも、今や保存活動がおきているほどに、消え去ろうとしている。

続きを読む

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

グローバルな時代にふさわしいメディア対策の必要性

【海外ニュース】

Japanese leader revives dark memories of imperial-era biological experiments in China
(ワシントンポスト より)

日本のリーダーが、戦前の中国における生体実験の暗い思い出を触発する

【ニュース解説】

日本の過去の戦争責任への解釈の違いは、今まで韓国と中国をはじめとする周辺の国々との摩擦の原因となってきました。
しかし、現在アメリカもがこの問題について、日本の指導者のスタンスに強い懸念をもっていることは日本でも報道されています。

今回のワシントンポストの記事は、その延長線上にある気になるものです。
1936年以降、当時の満州 (中国東北地方) で、日本軍が組織的に中国人などの捕虜に対して人体実験を行いました。その実験は、石井四郎という軍医の高官の指揮下で行われた実験であったため、それを実践した部隊を人々は石井部隊と呼んでいましたが、その公の名称は 731部隊でした。
そして、今回、安倍首相が自衛隊の航空機に搭乗し、笑顔でメディアに応えている写真が掲載されたところ、その航空機に 731 という番号が書かれていたのです。

続きを読む