その一言が!乗り越えよう異文化摩擦

エグゼクティブ・コーチング(7): 英語でプレゼンテーションをするとき、一般的な話題からはじめてもよいのでしょうか?


英語でプレゼンテーションをするとき、話のはじめに、例えば最近の経済事情などの一般的な話題からはじめて、話を盛り上げていっても構わないのでしょうか。例えば、As everybody knows, we are seeing the drastic economic growth in China. などといって。

大きな話題や、言いたいことの背景から話をはじめて、だんだんと本題に入ってゆく方法でプレゼンテーションを行うことは、漢字文化圏を共有する人々であればなんら問題ないはずです。

しかし、欧米では、特に英語でこのアプローチをした場合、聞き手の多くはスピーカーが何をいいたいのかわからずに戸惑ってしまいます。単純に欧米のスピーチのノウハウの中に、背景から物事の中核についてアプローチを試みるロジックの組み立て方が存在しないのです。

プレゼンテーションでは、まず集まってくれた人や、友好関係を保ってくれている取引先などへの簡単な感謝を表明したあとは、今回のプレゼンテーションで何を語るかといった主題について明快に提示して、話を進めてゆくことをおすすめします。一般的な社会情勢などについて語る必要は皆無です。

大切なことは、参加者全員にしっかりと視線を配り、最初の部分で、

Today, I would like to present our new marketing strategy.

などと表明して、さらにそのマーケティング戦略の核となるテーマへと話を繋いでゆくことをお勧めします。つまり、上記の主題の表明のあと、

Our new marketing strategy includes the following approaches.

という風に導いてゆき、触れなければならないテーマについて箇条書きにして説明します。 
このように、プレゼンテーションでの主題の表明には2つのステップがあるわけです。

すなわち、何をするかという大前提での主題の表明。
そしてその次に、そのためになさなければならない具体的な提案についての解説です。
大前提の主題の表明は、当然一つの項目にしぼられます。
これは簡潔に明快に表明し、背景説明に陥らないように気をつけます。ただし、何故その大前提を表明するのかという理由の説明は必ず行いましょう。そこには統計資料や大前提を無視した場合のリスクなどについての解説が必要となります。

次に、具体的な提案については、フォーカスをもつために3つ以内のポイントに絞り込むと効果的です。
忘れてはならないことは、具体的な提案においても、その理由をその後でしっかりと解説することです。これには、箇条書きにしたパワーポイントなどを駆使した総合的なアプローチが求められます。よく日本人はビジュアルを駆使した図面を使いますが、異文化ではむしろ箇条書など、文字に頼る方がより明快に相手に意図が伝わります。

理由についての解説が不十分だと、聞き手はそこで混乱し、最悪の場合はその段階で質問や指摘の嵐に苛まれることになります。
これは前回指摘をした、相手の提案を断るとき、Noと言ったあとその理由をしっかりと表明しなければならないということと全く同一です。

英語でのスピーチでは、それが Yes であろうが No であろうが、あるいは何かのプレゼンテーションであろうが、簡単なん提案であろうが、必ずそのあとに because とか The reason is、あるいは Here is the reason. などといった表現でしっかりと主題をサポートする必要があるのです。

言いたいポイントとその理由をしっかりリンクさせることが、英語で効果的なプレゼンテーションを行う上での必要十分条件なのです。

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