その一言が!乗り越えよう異文化摩擦

エグゼクティブ・コーチング(13): アメリカの市場に関して、アメリカ人のものの考え方に触れるとき、Americans are — と書くのは問題ない?


アメリカの市場に関して、アメリカ人のものの考え方に触れるとき、Americans are —– という風に書けば、文法的には問題ないし、違和感は感じないのですが。

大切なことは、常にステレオタイプを誘発するような表現は避けた方がいいということです。
世界は多様性 Diversity を尊重し、個々の個性や文化に対して敬意を払うことが常識となりつつあります。
特にアメリカでは、60年代の公民権運動によって、人種や国籍などに基づいた人への差別が厳しく戒められるようになりました。そうした中、人々は特定の人種や国籍に属する人を一つのイメージで断定することに対して、極めて繊細になっています。

この文章の場合、Many Americans とか、Many urban Americans (都市部のアメリカ人の多くは) などといった表記に変えて、多様な中でどのようなアメリカ人に対して語っているのかをしっかりと特定し、相手をステレオタイプに見ていないように表現する工夫が必要です。この発想は、(11) で解説した We Japanese の逆版と考えればいいでしょう。

アメリカの場合、元々移民によって成り立った国でもあり、そこに生活する人種も多様です。特定の人種を、一つのイメージやマーケット情報で括ることは、時には思わぬ反発へとつながるリスクがあることも知っておきましょう。

また、always, never あるいは all などといった単語で人の行動や人への感想を表現することも注意したいものです。

Spanish people are always taking a nap in the afternoon.
(スペイン人は、午後にいつも昼寝をする)

などといった文章がその代表的な例です。そのかわり、

Many Spanish people are taking a nap in the afternoon. This custom is called siesta.
(多くのスペイン人は、午後に昼寝をします。この習慣をシエスタといいます)

という風に言えば、よりステレオタイプが薄れ、客観性が増してきます。

また、特定の民族の風習などを描写するときは、Generally speaking (一般的にいうならば) などといった表現を冒頭に付記することも一案です。

書き手に偏見が全くないということをいかに文章で意識するかというポイントを外さないよう、特にビジネス上の書類や手紙、そしてスピーチなどでは工夫が必要なのです。

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