常に心がけておきたいことは、日本人は Why ではじまる質問に、大変弱いという事実です。
Why?(なぜですか)
と聞かれると、日本人はあたかも問いつめられているか、批判されているかのような誤解をします。
特に質問者は、あなたの目にしっかりとしたアイコンタクトを送りながら質問をするために、多くの日本人はそこに強い圧迫感を覚えるのです。
しかし、欧米の人は、リーズンの部分が理解できないときは、実に気軽に Why? と言ってきます。
それは、単純にリーズンが明快に理解できなかっただけで、決して敵愾心をもったチャンンジではないということを、覚えておきましょう。
Why? と聞かれ、理由が明快で英語でも簡単に答えられるときは、即座に Because から文章をはじめて応答すればいいのです。
Why? → Because
と条件反射のように考えておければいいのです。
そして、答えが複雑なときは、前項などで説明した方法で対応します。ちゃんと相手の目をみながら、しっかりと場をマネージしてゆきましょう。
また、比較的フォーマルなプレゼンテーションやスピーチの場合は、スピーチの最初に、質問やコメントはスピーチのあとに受け付けるということを表明し、その場のルールを積極的に設定して、プレゼンテーションの間に質問などで割り込まれて混乱するリスクを避けることもおすすめします。
My presentation will take about 15 minutes. Please hold your question and comment until my speech is over.
(私のプレゼンテーションは約15分かかります。どうかそれまでご質問やコメントはお控えください)
などといってルールを造るのです。
人々は、あなたに「完璧なる神様」になれとはいっていません。
ほとんどの人は、あなたがいかに状況をマネージできるか、その能力を見極め、あなたのプレゼンテーションの信憑性への評価とするのです。
それでは、もしあなたが聞き手であるとして、提案者やスピーカーと異なる意見を持っていたり、それに反対であったりした場合、どのように対応したらいいのでしょうか。
大切な案件で異論を唱えるときは、スピーカーがスピーチを終えたあと、その場でちゃんとその旨を表明します。
まずいのは、その場では何も言わず、後で間接的に自らの考えを伝えようとする行為です。日本人は相手との対立を避けるために、問題があれば、その場ではなく場を改めて解決しようとします。
そうした行為は、相手との信頼関係に傷をつけかねません。「ビジネスはビジネス」ですので、例えば異論を唱えても、スピーカーとの人間関係を毀損することはあり得ません。
むしろ、そうした積極的な対応はよろこばれ、例えスピーカーが上司であっても、あなたの異論について、ちゃんと対応してくれるはずです。
異論を唱えるときは、必ずただ否定するのではなく、なぜそう思ったのかという理由を明快にしなければなりません。
理由さえ明快であれば、相手はちゃんとあなたの話を聞いてくれるはずです。
よく日本人は、I don’t think so.(そうは思いません)といって、そのまま理由を述べないことがあります。理由のない反論は反論ではなく、単なる不快感と捉えられるかもしれず、マイナスです。
従って、
No → because(理由は詳細で具体的に)
というプロセスが大切なのです。
because の代わりに、
I disagree. Here is the reason.
(私は同意できません。理由は以下の通りです)
などという方法もあります。
相手と意見を異にする場合、
I think that’s not 100% true.
(それは100%正しいとは思えません)
I don’t see it that way.
(そのようには見えないのですが)
そして、
Here’s the way I see it.
(私の見方は次のようになります)
という風に繋ぎます。
また、別の見方を提示したいときは。
Look at it this way.
(こうした見方もありますね)
などという表現も効果的です。
次回は、さらにこのテーマを掘り下げます。
See you!!