相手に何かすすめるとき、You had better — という表現を使っていますが、大丈夫でしょうか。
これはよく日本人が使う表現ですが、本当に適切なのでしょうか。
例えば、You had better go to Kyoto. などといって、海外の人に京都旅行をすすめたりします。
実は、この表現、「〜をしないと大変だぞ」という意味を含み、相手に警告を発するときなどに使う表現なのです。
日本人は受験勉強などで、画一的な表現を勉強し、それが正しいと思い込んでいることがよくあります。had better — を「〜したほうがいい」とか「〜したらどうですか」などという表現と共に覚え、そのコンテキストを理解しないまま使用しているのです。
例えば、胃痛をかかえて青くなっている人に、友人が Hey, you had better see a doctor. といえば、「おい。医者にみてもらえよ (さもなければ大変なことになるぞ)」というようなときは、この表現が適切です。
どんな言語にも、表現は背景に支えられて選ばれるもの。
すなわち、緊迫した状態で、「〜したほうがいいよ」というときと、そうでなく単に相手に物事をすすめるとき「〜したらどうでしょう」というときとでは表現方法を変えなければならないことは当然といえば当然です。
受験勉強などでは、ときとして、そうした説明なしにただ熟語を覚えるため、このような誤解がうまれるのです。
観光にきた外国人に、京都にいくことをおすすめしますというときは、当然のことながら、
I think it is a good idea to go to Kyoto.
とか
If you are interested in Japanese history and culture, I recommend you to visit Kyoto.
などといえばいいのです。You had better go to Kyoto. といえば、「京都にいかなければ、大変だぞ」とい強要のニュアンスすら感じられますね。
またこうしたときに、Why don’t you go do Kyoto?
という人もいますが、これもちょっと持って回ってシニカルな感じです。それなら、率直に、I think Kyoto is the best place to visit. と、自分の意見として言い切った方がいいかもしれません。
実は、日本人が TPO を心得ずに使う英語で、思わぬ誤解を相手に与えるケースはよくあるのです。
別にビクビクすることはありませんが、そのリスクがあることを知りながら、相手の反応をみつつ実地で体験してゆくことが大切です。
そのためにも、率直に自分の英語について意見を言ってくれるネイティブの友人を造ることはおすすめです。