The Medieval Warm Period was a time of warm climate from about 900 A.D. to 1300 A.D. when somewhat warmer than at present. Its effects were evident in Europe where grain crops flourished, many new cities arose, and the population more than doubled.
「地球温暖化」が社会を発展させてきた?
それは、地球温暖化の社会への影響が議論されているなか、逆に太古から人類は地球温暖化の恩恵を受け、社会を発展させてきたという事実があることです。
とはいえ、氷河期が収束した後、常に温暖化が進んだわけではありません。実際、今回のヘッドラインのように10世紀から14世紀あたりまでは地球は暖かく、その後15世紀から19世紀までは寒冷期に入っています。地球では太陽エネルギーの強弱や火山や生物の影響を受け、周期的に気温の上下があるのです。今後新たな氷河期に見舞われないという保証もありません。現在、地球は寒冷化に向かっているのではという学者もいるのです。
10世紀ごろから400年続いた温暖化は、海水面の上昇をうながし、海の交通がより便利になりました。その恩恵を受けて、スカンジナビア半島からノルマン人が船でヨーロッパ各地に移住をはじめ、例えば現在のイギリスの母体ができあがったりしました。
この時期にも、温暖な気候の恩恵で豊作がつづき、耕作地も増大します。食物が豊富になれば人口も増え、ヨーロッパ各地の為政者は力を蓄え、十字軍などの軍事活動をも可能にしたのです。さらに大切なことは、こうした活動でイスラム圏からの文明もヨーロッパに流入し、それがルネサンス運動の原動力となったことです。ルネサンスによって科学への探究が進み、15世紀以降に寒冷期をむかえた際、人類は産業革命によって気候の問題を克服することができたのです。
アジアでも、10世紀から14世紀にかけては、北部の草原地帯の草も豊富で、遊牧民も力をつけました。このことが、モンゴル人によるユーラシア大陸をまたぐ大帝国の創立の原因であったかもしれません。
温暖化による人類の活発化に感じる脅威
では現在、温暖化に対して我々が脅威を感じているのはなぜでしょうか。
過去の人類の生活はもっと単純でした。食料を求めて移動と定住を繰り返すこともできれば、「個人の富」という概念も希薄でした。しかも現代文明の恩恵で、人口も圧倒的に増加しています。今とは異なり、中世に人類がちょうど動物の群れのように、豊かな文明を求めて移動し、その地域の文明を貪りそれが破壊へとつながっても、それはいわゆる「世の常」だったのです。
21世紀に突入して4分の1が経過する2025年
さらに世界が揺れるなかで、中東ではイスラエルがガザ地区に侵攻し、シリアでは長年権力の座についていたアサド政権が崩壊しました。
このストレスによる社会の分断のなかで、SNSなどによってポピュリズムへの民意の傾斜がはじまり、今までにはない新たな指導者の出現に世界は湧き立ち、あるいは震撼させました。アメリカのトランプ氏など、そうした事例は多くの国々で政治上の話題をさらったのです。
今回の温暖化による社会変動への不安を、我々は自身の力によって制御できるのか。それは誰にもわからない未知の問いかけだといえましょう。
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『日英対訳 身近なサイエンスQ&A』田中 忠芳 (著)、Ed Jacob (訳)
日常的に感じる身のまわりの「なぜ?」という素朴な疑問について、科学的な視点から日英対訳のQ&A形式で解説します。専門的な言葉や数式をほとんど使わずに説明しているので、科学に詳しくない初心者でも楽しめます。自然界の不思議について科学が答えを与えられることを具体的に示すことで科学に対する理解を深めるとともに、身近で興味深いトピックだから楽しく読み進めることができ、大量の英語に触れることができます。
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