Roatán Caribbean Living (RCL) is an expansive, multi-phase development platform comprising 750+ acres across eight flagship projects on Roatán, the most desirable island in the Bay Islands of Honduras.
新冷戦の渦中で揺れる中米の国々
トランプ大統領は、就任早々にパナマ運河をアメリカの管理に戻そうとし、国際社会から反発を受けました。背景には、パナマが管理する運河の双方の出口にある港湾が、香港系の資本によって運営されている実態があるからです。香港が、実質上中国に併合されていることは、周知の事実です。
さらに、ホンジュラスも左派政権ができると、中国との連携を強化し、長年にわたって国交を維持していた台湾と断交し、中国と正式に外交関係を構築したのです。そんなホンジュラスに持ち上がっているのが、ドライキャナル計画です。それは、運河ではなく太平洋とカリブ海を結ぶホンジュラス横断鉄道を建設する計画です。同様の動きは、ホンジュラスより南に位置するコスタリカでもみられました。
これは、有事のときに、両岸の港湾を管理している香港の企業によってパナマ運河が閉鎖される懸念があることへの対抗措置でもあります。これは日本への物流や米軍の機動力にも影響を与える課題です。
ただ、アメリカ主導でドライキャナル計画が実現すれば、新冷戦による物流のリスクは軽減されるものの、パナマ側にとっては経済的なダメージとなるかもしれません。中米は、このようにして新冷戦の渦中にあるのです。

米国の介入に芽生える複雑な国民感情
しかし、最近パナマ政府は、この一帯一路政策から距離を置くようになりました。アメリカの圧力もあれば、アジアでの一帯一路政策による中国の経済支配の実情をみて、危惧したのかもしれません。そうした事情を背景に、今ホンジュラスは11月末の大統領選挙を目前に、アメリカとの連携を求める候補とそうでない候補との論戦が始まっているのです。
今回のヘッドラインの英文は、そうした計画の一端として、ホンジュラスのカリブ海の島にリゾートセンターを建設しようというアメリカの不動産会社の計画書を入手し、その一部を抜粋したものです。
しかし、その宣言には、ヨーロッパの列強がアメリカ合衆国だけではなく、アメリカ大陸全体への介入をアメリカに対する敵対行為とみなすという牽制の意味が含まれていたことを知る人はそう多くありません。
当然、中南米では経済的弱者の間にアメリカへの複雑な国民感情が芽生えます。それが反米感情として発火したのが、キューバの共産化などに代表されるさまざまな政治運動に他ならないのです。

自国の利害でなく中米の安定につながる経済援助を
中米への経済援助は単にアメリカの利害に直結し、新冷戦への戦略に終始するものではなく、この地域の安定を意図して貧困など中米が抱える社会問題を意識したうえで立案するべきものなのです。
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『日英対訳 英語で読む地政学』山久瀬洋二 (著)、エド・ジェイコブ (訳)
国の位置や地形、海路などの“地理的条件”が、国家の戦略や国際関係にどのような影響を及ぼしてきたかを考察する「地政学」。そのような一般的な「地政学」とは少し視点を変え、気候変動などの気象や、そこから発する海洋への影響、文明の発達による山や川の環境変化などに着目。それが人々の生活にどのような影響を及ぼし、そして人類の歴史をつくってきたのかを解説します。科学の進歩とともに、旧来の地政学がすでに時代遅れになりつつある時代に、環境問題の深刻化や社会に広がる分断、それらを背景に問われる国家戦略のあり方を日英対訳で考察します。国境の向こうを理解する教養が、英語とともに身につく一冊です!
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