タグ別アーカイブ: 人種差別

世界市民の融和を祈って
海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

アメリカ大統領選挙が残した課題とは

【海外ニュース】

Hillary Clinton appears to gain late momentum on surge of Latino voters.
(New York Timesより)

ヒラリー・クリントンはこの終盤でイスパニック系の指示にのって乗り切ろうしているのか

【ニュース解説】

これは、激戦が予想される大統領選挙で鍵となる大票田、フロリダ州でのヒラリー・クリントンの最後のキャンペーンの模様を伝えたニューヨーク・タイムズのヘッドラインです。
彼女は、ドナルド・トランプ候補が当初、毒舌をもって批判していたメキシコ系移民に代表される、中南米からのイスパニック系移民の支持を固めようと必死です。

反知性主義という言葉を最近よく耳にします。
特に、今回のアメリカ大統領選挙で議論された移民にどう対応するかという政策論争の中で、ドナルド・トランプ陣営を批判するときに、この表現が使われています。
60年前に時計の針を戻しましょう。
当時、アメリカでは、黒人 (アフリカ系アメリカ人) への差別に対して、多くの人々が立ち上がろうとしていました。それが公民権運動という大きな流れとなって、アメリカ社会を変化させていったわけです。

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

ボルチモアでの暴動から見えること

【海外ニュース】

Rage to Relief in Baltimore as 6 Officers Charged in Death
(NY Times より)

ボルチモアは怒りから安堵へ、6人の警察官を殺人罪で告発

【ニュース解説】

この一週間、アメリカ東部のボルチモアは厳戒体制にありました。
警察官の不当な扱いと対応によって、黒人の被疑者が死亡した事件をめぐって、人種差別、人権侵害だと訴える人々の怒りが暴動へとエスカレート。騒然とした状況が続いていたのです。

去年の夏、セントルイスの郊外で白人の警察官が黒人少年を射殺した事件以来、こうした悲劇がアメリカ各地で頻繁におきています。
ネパールの地震や、安倍首相の訪米などのニュースに隠れがちなこの事件、アメリカでは毎日新聞の一面を割いています。
そして、来年の大統領選挙を前に、こうした人種対立や、貧富の格差の問題が、現実の事件として多発している状況に、連邦政府もそれぞれの地域の人々も、ただ当惑を隠せないというのが実際の状況です。

では、これらの事件を報道するとき、日本人はそれをどのような視点でみればいいのでしょうか。アメリカには差別は存在するのでしょうか。そして偏見はそこまで深刻な社会問題なのでしょうか。

日本人として、アメリカでおきる人種対立についてのニュースを解説するとき、私には必ず注意するポイントがあります。それは、こうした事件こそ、アメリカ社会と日本の社会との違いをしっかりと把握した上で解説しない限り、ニュースの本質が伝わらないと思うからです。

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「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

ファーガソンの暴動から語れること

Ferguson Update. A Peaceful Thanksgiving
(St Louis Post Dispatchより)

ファーガソンの最新情報。感謝祭は異常なく

アメリカはミズーリ州の郊外にあるファーガソンで、マイケル・ブラウンという黒人少年が白人警察官に射殺され、その白人警察官が訴追されなかったことから、地元では抗議の暴動がおきたことは、日本でも報道されています。
折からの寒波の中、街は一時騒然。人種間の緊張と、鬱積する黒人系の住民の怒りがどう拡大してゆくか、まだ予断を許しません。
犯罪者と誤認してマイケル・ブラウン少年を撃った警察官の行為が正当だったのかどうか、過剰な攻撃ではなかったか。今後も様々な角度からの調査は続きます。しかし、少なくともミズーリ州では、法的に警察官は無罪という判断がくだされたのです。
そんな中、ある人からアメリカでの人種差別について質問を受けました。そのやり取りをここに紹介します。

「アメリカでは今でも黒人と白人との対立が深刻だね」

「というより、貧しく犯罪率の高い地域に住む人と、そうでない人との対立が常にくすぶっているという方が正しいんじゃないだろうか」

「でも差別は矢張り根強いんでしょ」

「アメリカは巨大な実験場だからね」

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

ミズーリの「長い暑い夏」が語ること

【海外ニュース】

Michael Brown‘s funeral: Hope, tears and a call for social change.
(CNNより)

マイケル・ブラウンの葬儀、希望と涙、そして社会変革への声の中で

【ニュース解説】

8月25日、アメリカでは国中がある葬儀に注目していました。
去る8月9日、アメリカの中西部、ミズーリ州で、マイケル・ブラウン Michael Brown という18歳の黒人少年が、白人の警察官に射殺されたのです。

事件発覚当初、地元の警察は狙撃した警察官の名前を秘匿し、狙撃が正当であったことを主張しました。しかし、被害者が丸腰であったこともあり、警察の行為は、黒人への差別だと人々は憤慨します。
やがて、抗議の群衆は暴徒化し、混沌 turmoil が世界に報道されたのです。
ジェイ・ニクソン Jay Nixon 州知事は、非常事態宣言を発令し、警官隊を導入して鎮圧に臨みますが、それが人々の怒りに油を注ぐことになりました。

実際に事件は、当初の発表のように、警察官が正当な行為として発砲したのか、それとも無抵抗の被害者を射殺したのかはっきりしません。FBIも調査に乗り出し、司法解剖を行い、少なくとも、被害者は6発の銃弾を被弾し、そのうち2発は頭部に命中したことが明らかになりました。このことから、どのような状況であれ、警察の行為は過剰だったのではと世論は傾きます。

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「世界の心の交差点で」〜コミュニケーションと誤解の背景〜

歴史と異文化、繊細さと鈍感さの狭間とは

上海でのことです。フランス人のビジネスパートナーと豫園 (上海の庭園) を散歩していたときのことです。
一人の白人系の女性が私に話しかけてきました。

「豫園の近くでお昼を食べるのはどこがいいかしら」

「そうね。庭園の外の池の周りに中華レストランがあって、そこの飲茶がおいしいから試してみたら」

そう、私は気軽に答えました。すると彼女いわく、

「外国人でも気軽に入れるのかしら」

「そう思うけど。僕もさっきランチをしたばかりだし」

「え、あなた海外の人?私てっきりガイドかと思った。ごめんなさい」

そう彼女はいうと、そそくさと私の側を離れていきました。
その会話の一部始終を横にいたフランス人の友人は聞いていましたが、全く気にしていない様子。そこで、私は言いました。

「失礼だよね。これって欧米の人がアジア人をみるある種のステレオタイプだよ。偏見というか何というか」

すると、フランス人の友人が答えていわく。

「でもさ。彼女は君を中国人だと勘違いしただけだろ。別に偏見があったわけではないと思うけど」

欧米の人とアジアの人が一緒に観光地を歩いていると、アジア系の人がガイドと間違えられます。そこが中国で日本人と中国人との区別はつきにくいものの、それでもそこには裕福な欧米人観光客が途上国 (今では新興国) のアジアでガイドを雇っているのがごく自然に思えるという、ステレオタイプじゃないのかなと、私は納得できない不満を感じてしまったというわけです。

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