ビジネスなどの打ち合わせ、そしてブレーンストーム、さらにはプレゼンなどの質疑応答で、欧米では日本人が想像する以上に、激しいやりとりが交わされることがあります。
時には、人のアイディアに真っ向からチャレンジしてくるようなこともしばしばです。
というのも、英語の世界では、反論をすることは、感情的なチャレンジであるとは決して思われず、むしろ、人々は反論を歓迎しているからなのです。つまり、反論するということは、相手が話していることに対して、本気で意見を言っている証拠に他ならず、会議などに積極的に参加している証なのです。
人前で余り反論したりすることをよしとしない日本人は、こうした対応に直面すると、ついつい感情的になったり萎縮してしまい、彼らはやはり自分の意見を押し付けるだけなのだと誤解してしまいます。しかし、それでは英語を使った打ち合わせの中で、いつでも一人取り残されてしまいます。
ビジネス上の意見のやりとりは、個人の感情のやりとりではないということを、ここで改めて自分に言い聞かせ、思い切って、相手の意見に対する自分の考えや、異なるアイディアを表明してゆきたいものです。
では、どのように相手と異なった意見を表明すればいいのでしょうか。
前回、反論をするときは、理由をちゃんと表明するようにと説明しました。
つまり、ちゃんと because の部分を説明して反論してゆくことの大切さを思い出してください。
そこに、もう一つ付け加えるなら、相手のプレゼンテーションのどこの部分に対して反論しているのかを、明快にすることが大切です。
Is this what you are saying, …?
(あなたが言いたきことは〜ですね)
あるいは、
Why do you think so?
(なぜそのように思うのですか)
と問いかけて、
I agree with you on that point. However I disagree with that idea you mentioned later.
(私は、その部分については賛成です。しかし私はあなたが後で述べたあのアイディアには反対です)
このように具体的に反論しているポイントを明示し、
Here’s why.(理由は次の通りです)
といって、反論の理由を説明します。
また、
I see your point, but could we look for alternatives?
(おっしゃっていることはわかります。しかし、代案は探せないのでしょうか)
などと問いかけ、さらに議論を深めるべきだと、相手を導いてゆくこともあるでしょう。
また、相手のアイディアの中で欠如しているところを指摘するために、
I see your point, however, did you consider …?
(あなたのいいたことはわかります。〜についてはお考えになりましたか?)
と言って、相手と一緒になって、さらによい方法を模索することも可能です。
この場合、相手の言っている主旨が明快に理解でき、その気持ちはよくわかるがというスタンスで、別の解決策を
Counter argument(カウンター・アーギュメント)
として提案することで、より深い議論をしていこうとしているのです。
こうした反論を建設的に捉えるならば、あなたが反論することで、プレゼンテーターがさらに自分の意見を表明し、そこに他の人が異なったアングルから意見を述べるという形で議論が進み、あなたの一言がブレーンストームの起爆剤となることがあるのです。
それは、とりもなおさずあなたが会議に積極的に参加していることのあらわれで、あなたのリーダーシップを他の人に印象づけるよい機会にもなるのです。
正に、反論はアイディアを創造するプロセスとなりうるのです。
ではまた次回。
See you!!