英語で話をしたりプレゼンテーションをしたりするとき、まず知っておきたいのは、英語での会話の特徴や、その背景にある、ビジネス文化です。
英語での会話は、あたかもテニスのように、ボールを受けたら即座に相手に打ち返してゆかなければなりません。
というのも、日本語よりも、英語は沈黙の時間が短く、欧米の人は日本人よりも沈黙を嫌うのです。
従って、あなたが英語で何かを言った場合、間髪を入れずに相手のリアクションが言葉となって返ってきます。
それだけに、英語が堪能でなかったり、すぐに答えや言葉が浮かばなかったりしたときは、沈黙をするのではなく、
Just moment. Let me see.
(ちょっとまって、考えてみましょう)
OK …Well, hum, let me see….
(そうね。うーん、考えてみましょう)
Wait, wait. I am thinking.
(まってよ、今考えてるんだから)
などといった、表現で沈黙を埋めることが大切なのです。
もちろん、考えているときは、考えているぞというジェスチャーも忘れないように。相手の目をみながら、にこりとして、手を相手の前に軽く持ち上げ、人差し指の腹の部分(内側)を相手に向けて立てると、相手は会話をストップします。
それでも困ったときは、ちょっと大げさかと、演技過剰ではと思われるくらい、明快なジェスチャーをもって対応しまましょう。
例えば、片手を顎の下において、その手をもう一つの手で支えるといったようなジェスチャーで。
最悪なのは、腕を組んで、目を閉じて沈黙というような、日本の会議でよく見かける態度をとることです。
これは相手に拒絶のメッセージを与え、思わぬ誤解の原因となります。
以上のことを理解したうえで、常に相手に言葉で働きかけながら、会話を進めてゆかなければならないのです。
ビジネス上の会話はテニスの玉の打ち合いです。
それは、ラケットをもって行うやり取りであって、ハートからハートへのやりとりとは異なります。
日本人は、上下関係、相手との立場の違いなどを意識し過ぎ、余りドライに話をすると、相手が気分を害してしまうのではと思いがちです。
Business is business.
という言葉があるように、ビジネス上のことであれば、例え反論したり、異なる意見を述べたりしても、相手はそれを侮辱とはとりません。
このことを知っていれば、欧米の人ともっと軽快に意見のやりとりができるはずです。
「ノーといえる日本」などと意気込まなくても、カジュアルにまずいことはまずいと表明できるわけで、むしろ感情的に意気込んでは逆効果になります。
Business is business という言葉には、そのあとに Nothing is personal. という言葉が続きます。これは「ビジネスの会話をしているんだ、個人的な感情によっているのではないよ」ということなのです。
だから、彼らは上司に対しても、顧客に対しても、ストレートにものをいう習慣があるのです。
プレゼンテーションなどの場や、相手に自分の意見を言わなければならない場では、こうしたことをまず知っておきながら、戦略を立ててゆくように、心がけたいものです。
ではまた4日後に、今回から2回分は、出張のため、サンフランシスコから、ちょっといつもと変わった雰囲気で、シリーズのブレークとしてのブログをおくります。
See you !!