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結論の後の reason (理由) の述べ方

英語でのプレゼンテーションの方法について、さらにお話ししましょう。

プレゼンテーションやスピーチでは、起承転結法を捨てて、結論から話をはじめてゆくことは既に説明しました。
そして、前回は結論、つまり conclusion の表明の方法について解説しました。

今回は、conclusion を述べたあとで、しなければならない reason (理由) の表明について説明します。

リーズンは、多くの場合、because という一言からはじまります。
あるいは、the reason is— という表現もよくみかけます。

理由を述べるとき、その内容はコンクルージョンの部分としっかり呼応していなければなりません。

まずいのは because it is difficult. とか、because Japan is different. などといって、具体性のない曖昧な理由付けをすることです。

ではどのようにすればいいでしょうか。

例えば、

Why are cigarettes still available for sales even though it’s proven they cause cancer?
(どうしてこれだけ癌のもとだといわれているのに、未だにタバコの販売が許されているのですか)

という質問があったとします。

そして、それに対して、

Yes, they are still available for sale because the government earns a lot of income from cigarette manufacturers.
(確かに、タバコは未だに売られています。というのも、政府はタバコ産業から多くの収入を得ているからです)

という風に答えます。この場合 because からあとがリーズンにあたります。
そして、そのリーズンをさらに補強するために、しっかりとリーズンをサポートする説明が求められます。

この質疑応答の場合、

According to the newspaper, the government earns XXX billions of yen a year.
(新聞によれば、政府はXXX億円の収入を得ているということです)

といったようなリーズンのサポートがあると、より論旨が明解になるのです。
つまり、because のあとの部分をちゃんと語り、その後でそれをサポートするなんらかの事例などをもって、よりコンクルージョンを明快に支えるリーズンの表明をするのです。

ある意味で、プレゼンテーションは、クリスマスツリーのデコレーションと似ています。コンクルージョンが飾り物をつける樅の木とするならば、それをサポートするリーズンは、デコレーションに当たります。ここがしっかりしない限り、聞き手は興味を持ちません。

人が話し始めると、聞き手はその人が何を話すか興味をもちます。その場合、聞き手は無意識のうちに想像力を駆使し、時には話し手よりも先回りして考えることも頻繁です。

別のいい方をすれば、聞き手は自らの心の中に自分なりのクリスマスツリーを描こうとするのです。
しかし、それが話し手のものと異なりはじめると、それを修正するために相手に話しかけ、問いかけます。
この行為は、コンクルージョンが明解に語られず、さらにその後のリーズンがしっかりしていないとき、特に起こりがちです。

従って、冒頭にコンクルージョンをしっかりと述べ、聞き手にどのようなクリスマスツリーなのかをイメージさせ、そこにしっかりとリーズン、そしてそのリーズンをしっかりとサポートするコンテンツをもって飾り付けをしてゆくことが必要になってくるのです。

先ほど、Japan is different というような曖昧な表現はまずいと説明しました。

例えば、Japan is different といった前提となるコンクルージョンが、

I think we need to make special marketing team to sell your product into Japanese market.
(我々はあなたの商品を日本に売るために特別なマーケティングチームを組成させなければならないと思います)

という文章であったとします。

そして、その理由として、あなたは日本のマーケットは欧米とは異なるのだといいたいのですが、ただ異なるといってもどのように違うのかをしっかりと説明しない限り、相手に理解されません。

そこでリーズンは、

The reason is the similar product produced by Japanese domestic competitor is currently dominating the market and they have quite strong connection with local retailers.
(理由は、日本には既に日本企業が造った類似品があって、それが市場を席巻しており、小売店とのつながりも大変強固です)

という風に、しっかりとした背景の説明をここで行います。
その上で、さらにただ悲観的な理由付けではなく、ではどのようにすればいいのかを付け加えましょう。これが重要なサポートとなります。

すなわち、
So, to penetrate into Japanese market, we need to show them how our product is different from traditional Japanese product.
(そこで、日本のマーケットに進出するために、我々の商品が既存の日本の商品と比べどこが異なるのかを示してゆく必要があります)

というような説明が必要となるのです。

次回も、さらにプレゼンテーションのノウハウについての説明が続きます。

See you!!

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