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フィードバックのスキル(2): クレームのつけ方

最初のステップとして、何かサービスを受け、そこに問題があったことから相手にクレームをつける方法について考えます。

飛行機のチケットカウンターや、レストランなどで問題が発生したとき、あるいは相手の単純なミスで、業務上の不都合があった場合、何をおいてもその場でクレームをつける必要があります。
そうしたとき、ちゃんと相手の注意をひくために、

There is a problem.
(問題があります)
We have a problem.
(困ったことがあります)

などといってクレームをはじめることはあるでしょう。

この時のプロセスは、以下の通りです。

Ask corporation →Declare and explain the problem and issue →Seek the solution together →Show the Appreciation

● Ask coorpeoration (協力を要請する)

この段階でまず知っておきたいことは、こちら側が決して感情的にならないことです。一歩日本を離れれば、必ずしも「お客様は神様」ではなく、大前提として、「お客も自分も同じ平等な人間」だという立場で相手が接してくることを、心に留めておきましょう。
その上で、相手にナイスに話しかけ、アプローチを行います。

Hi. I need your help.
(こんにちは、助力を求めたいのですが)

この段階までは、よほど、緊急で切羽詰まっていない限り、表情もフレンドリーにして、アプローチします。緊急事態では、この呼びかけ時に、まじめで深刻な表情で話しかけても構いません。状況の軽重に応じ、そうしたことをちゃんと判断し、曖昧な表情をもって相手に接することは慎みましょう。

● Declare and explain the problem and issue(問題点の指摘と説明)

次に、「問題があります」といった後に、できるだけ詳細に客観的な状況を説明しましょう。このときも、感情的にならず、ただ相手が悪いのだと一方的に指摘しないようにします。つまり、これが問題だということを、相手が認識して、協力しようと言うモチベーションへとリンクしてゆくロジックが必要なのです。

心がけたいことは、常に個人と業務とを分けて考え、業務上のミスが故に、個人を侮辱しないようにすることです。あくまでも個人に対しては、対等な人間としての respect、すなわち尊重する意思を持って接することが大切です。

一例を示しましょう。
係員のアナウンスが誤っていたために、ゲートを間違い飛行機に乗り遅れたとします。

Look at this ticket. You gave me wrong information!
(このチケットをみてよ。情報が間違っていたじゃないか!)

といっても、そこにいるエージェントはあなたの横柄な態度に憤慨するだけで、事態は進展しません。

Sir. I need your help as we miss the airplane. At ticket counter, I received this ticket and on this ticket, it is said my gate is ten. However, when I went to gate 10, I found the fact that gate was changed. Please help me to get the earliest plane and I need to find how my checked in baggage is taken care of.
(すみません。飛行機に乗り遅れました。助力をお願いします。チェックインカウンターで航空券をもらったとき、チケットにゲートは10と書かれていました。それで10番ゲートに行って、ゲートが変更になったことを知りました。次の便に乗るよう手配をして、私のチェックインした荷物がどうなったか教えてほしいのです)

というように、詳細に状況を説明する根気が求められます。

ここでのポイントは、

We have a problem というかわりに、I need your help. という表現を使っていることです。
これは相手を批判していることではなく、問題解決をお願いしていることになり、聞く側としても、構えることなく相手の指摘に耳を傾けられます。

● Seek the solution together(一緒に参加しながら、解決方法を模索)

問題が理解できた段階で、相手の人はそれをどう解決するかを探してゆきます。
ここでは、両者の協力体制が必要です。すなわち、飛行機に乗り遅れた場合は、次のフライトを特別なコストなくつかまえることなどを目標として、相手が心地よく協力してくれるように、リードしてゆきます。

例えば、相手が何はアレンジをはじまようとしたときは、good とか beautiful などというかけ声で、相手のモチベーションをあげてゆきます。

この場で、問題を解決し、自らのベネフォットを獲得するためには、ともかく目の前にいる人物を見方にする行為が大切です。
一つのアレンジが終わったら、すかさず、

Thank you. You did a great job for me.
(ありがとう。よい仕事をしてくれて)

などという言葉をいれて、相手の意識を高めましょう。
そうした中で、相手がよりよい解決方法を見いだすように、エスコートしてゆくのです。

もし、思うようにいかないことがあった場合は、

Well. What I need to have is &#8230. Would you do it for me?
(いえね。私がお願いしているのは〜なのです。可能でしょうか)

などというオファーをだし、その中から最良の Compromise 妥協点を模索します。こうしたやりとりの中で、相手からよりよい条件を引き出すのが、クレームをしたあとの大切なタスクとなります。

● Show the Appreciation

いよいよ、問題が解決したとき、相手が協力してくれる姿勢を示したときは、ちゃんと Thank you. といって感謝をすることも忘れないようにしましょう。
相手がエアラインのエージェントなどであった場合は、名札の名前を読んで、

Thank you Jenny, I really appreciate your help.
(ジニー、ありがとう。本当に感謝します)
という風に言って、率直に謝意を伝えるのが大切なマナーです。

このように、サービスに関する基本的なクレームであればあるほど、冷静に、相手に協力をさせる意思をもってもらうように、対応しましょう。

それではまた。

See you!!

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