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エグゼクティブ・コーチング(18): アメリカの人が何か提案してきたときに、いきなり Why? (なぜ) と問いただすのは失礼かと思うのですが。他のたずね方はあるのでしょうか?

アメリカの人が何か提案してきたときに、いきなり Why? (なぜ) と問いただすのは失礼かと思うのですが。他のたずね方はあるのでしょうか?

全く失礼ではありません。
アメリカ人は、子供の頃からわからないことがあれば、Why? と尋ねるように教えられてきています。

昔、飛行機に搭乗し、飛行機が出発するときに、子供がシートベルトをつけずに座席の上で遊んでいたことがありました。
私が、その光景を、通路を挟んだ座席からみていると、父親が「シートベルトをつけなさい」とその子に注意します。
するとすかさず子供が Why? と尋ねたのです。
すると父親は、丁寧にその理由を子供に説明しました。
こうした光景は、日本ではなかなか見ることができません。
アメリカ人の多くは、納得がいかなければ上下関係などをも越えて、ちゃんと質問をし、その質問を受けた側は、ロジックをもってしっかり説明するようにというように、親からも教師からも教えられてきました。そのやりとりにおいては、人と人は平等で、Why と聞くことは、全く失礼なことではないのです。

それに対して、日本では、Why ではなく How を使った質問が奨励されます。
いかに、そしてどのように物事を進めるかを、親や教師も伝達します。
その教え方はどちらかというと教える側から教えられる側に向けた一方通行で、子供の方から、教師などへの Why を使った質問は、それほど奨励されません。
さらに、今回の質問のように、「なぜ?」と聞くことは唐突で、時には相手に不快感を与えるのではないかと心配する人も多くいます。
日本人にとって、この Why? という一言が、どこか相手に挑戦をしているかのような印象を与えてしまうからかもしれません。確かに、日本人は「なぜ?」と尋ねること、そして尋ねられることに慣れていないのです。

ですから、そうした日本人の意識を捨て、どんどん相手にこの質問を投げかけてみましょう。

Why? と唐突にいうことがそれでも気になる場合、

Please tell me the reason why you think so.
(そのように思う理由を教えてください)

というように、文章の中に Why を組み込んで質問をすれば、さらに抵抗が少なくなるはずです。

こうした質問をすれば、相手に説明責任が発生し、情報をより豊富に入手できるのです。従ってビジネスでの交渉では、Why と質問することで、相手との交渉にイニシアチブを取るというメリットもあるはずです。

最も基本的で中学生の段階で勉強する疑問詞、Why。
それでいてこの疑問詞を使用することの効用を、異文化の側面から検証し、説明した人は今まであまり多くはなかったようです。

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