In modern productivity and scheduling frameworks, the 70/30 Scheduling Rule dictates that you should only ever plan or prepare for 70% of your available time or capacity. The remaining 30% must be left entirely blank and unplanned as a buffer.
日本人はなぜ「元気がない」のか
日本人が自信を取り戻し、円安や物価高といった出口の見えない不安を払拭するには、何が必要なのでしょうか。
率直なところ、海外へ出張して帰国するたびに、世界の多くの国から少しずつ水をあけられ続けている日本の姿が見えてしまいます。そして、そのことを自覚しておらず、いまだに今の日本をこれでよしとしている人が多いことにも驚かされます。もちろん、技術やインフラを含め、日本には優れたものが山ほどあり、その底力も実感できます。ただ、一つ言えるのは、日本人が海外の人と比べて、どうも元気がないように思える、ということです。
その元気のなさは、一人ひとりの活力や発想力に原因があるのではなく、もっと別の何か、あえて言えば、教育環境や社会制度に起因するものではないか、と思われるのです。
ここで一つの事例を挙げてみます。日本でよく取り上げられる高齢化の話題です。例えば、日本では「終活」という言葉が流行り、終活そのものが一つの産業になろうとしています。いかにシンプルな葬儀を行い、子供や周囲に迷惑をかけずに人生をきれいに終えるか-そんなテーマが、日々話題になります。警察は、高齢者の運転による交通事故の事例を挙げて、一定の年齢以上の人に免許証の返納を奨励します。確かに、認知症などによる交通事故が社会問題であることは、否定しません。しかし、先週アメリカで体験した出来事は、こうした日本の常識とは、まさに真逆のものでした。
86歳、テスラを乗り回す
ロサンゼルスの郊外に86歳になる知人がいます。彼のアパートに招かれたときのことです。まず、「午後4時にホテルまで迎えに行くから、ロビーに降りてきてくれ」というメッセージが、その知人から届きました。彼の家でお茶を飲み、それからサンタモニカ(ロサンゼルス近郊の太平洋に面した街)のホテルの屋上にあるレストランで夕食を共にしよう、というのがその人の計画でした。
午後4時にロビーに現れたその知人は、最近テスラを買ったのだと、ニコニコしながら話し、さっそく新車を披露してくれます。そして、そのテスラに乗って、彼のアパートへ向かいました。
もともとアメリカ人は会話中のアイコンタクトが強いのですが、さすがに運転中はそうもいくまい、と思っていました。ところが彼は、運転しながらこちらを見て、楽しそうにあれこれ話しかけてくるのです。
「ハンドルを握ってないときは、この車が勝手に動いてくれるからね」そう言って、助手席に座る私の方を見ながら近況を語ってくれます。確か日本では、こんなふうにハンドルから手を離せば、前方注視義務に触れるのではなかったか、と思ったのですが、彼は「この車は便利だ」と自慢し、パネルへの目的地の入力といったITリテラシーも、まったく衰えていないようでした。
「免許証の返納の促進だって? 何のことかよくわからないね。年を取れば、こういう自動運転車をもっと活用すればいいんじゃないの」
彼のこの一言には、確かに一理あります。アパートの駐車場には、充電用の設備がしっかり整っていました。これも、日本ではまだまだ普及していません。
実はテスラは発売以来、60件以上の人命に関わる事故を起こしています。もっとも、それがすべて自動運転によるものかは定かではありません。しかし、もし日本で自動運転車が、試運転の段階であっても事故を起こせば、どれだけバッシングされることでしょうか。
それと比べて、86歳の高齢者がテスラを乗り回し、以前紹介したグーグルのウェイモという自動運転タクシーが、運転手なしで街を行き来している-そんな今のアメリカとの差を考えたとき、日本人が元気なく見える理由が、浮き彫りになってきたように思えたのです。

30%の「余白」を残す
あまりにも生真面目に、あらゆるリスクと完璧な準備を意識しすぎるために、未来の可能性を潰してしまう。そうした社会通念が、日本人の元気を奪っているのではないでしょうか。
何かが起きたとき、誰も責任を取りたくないために、組織としてイニシアチブを取る人が出にくいのです。提案に対しては、慎重な意見を言うほうが知的であり、組織が求める人材なのだ-そんな見えない常識が、日本社会に蔓延しているようです。もっと言えば、高齢者は終活に専念し、免許証も返納したほうが、社会としてのリスクが減る。そんな暗黙の了解が、日本の常識になっているのでしょう。
「日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識」とよく言われます。そして、いざ問題が起きると、それを理由に徹底的に責任を追及するばかりで、それを乗り越えてどう未来へ進むか、という意識が日本では育ちにくい、そう指摘する人もいます。
アメリカで暮らしていた頃、日本へ帰国するたびに必ず尋ねられたのが、「治安は大丈夫ですか?」という一言でした。アメリカに限らず、日本人が海外へ出るとき、周囲の人が「そこは安全なのですか?」とよく尋ねるのを耳にします。あたかも、日本が世界で一番安全で、清潔で、サービスも行き届いた国だといわんばかり-そうした日本人の物言いを不快に感じている海外の人は、意外と多いのです。これもまた、リスクを嫌う日本の風土のあらわれなのかもしれません。
誤解してほしくないのは、決して交通事故を甘くみたり、不十分な安全対策でよいと主張したりしているわけではない、ということです。そうではなく、あまりにもリスクばかりを考え、完璧な状況などこの世に存在しないにもかかわらず、そこにこだわり続ける日本人が、今、世界から置いてきぼりにされようとしている、そのことが心配なのです。
冒頭で紹介したように、物事は70%はしっかりプランニングし、残りの30%は予期せぬ事態に柔軟に対応できるよう空けておくべきだ、という考え方は、海外の産業界などでも広く受け入れられている常識です。まずは、そのことを理解することが大切だと思います。
日本を再生するには、教育制度を含め、社会全体が、100%の完璧を求めず、あえて30%の自由な余白を残すことを考える必要があります。言い換えれば、今の日本の社会には、いかに柔軟性を許容し、失敗に寛容になれるか、それをもう一度考え直す機会が、求められているように思えるのです。
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