“In the face of President Trump’s attacks on Ontario’s economy, our government will do whatever it takes to protect Ontario workers and businesses,” Ford said in a statement Monday.
「トランプ関税」に対する欧州、アジアの反応
移民に寛容で自由経済を、というビジョンによって統合されているEUを、トランプ政権はそもそも目の敵にしてきたのです。であれば、スペインの極右政党もトランプ氏の政策にエールを送るはずです。
そもそもカナダやメキシコへの措置が発表されたときから、アメリカが日本にも厳しい関税を課してくることは十分に予測できたはずです。しかし、日本の大方の予測は甘く、現在の日米関係からみても柔らかい対応をしてくるのではという見解が多数でした。この甘い予測を抱くこと自体がいかに稚拙であるか、アメリカを知る人ならわかっていたはずです。
韓国はというと、現地の知人によれば、ユン大統領の罷免と次の選挙に世論が集中しているために、今回の関税問題は新政府ができてからの最重要課題というのが一般の認識で、今すぐに何かアクションは起こせないという苦しい現実があるようです。
軍事の同盟関係と経済とは別物だと認識する必要性
G7の多数の国は、日米は世界の中でも最も親密な国であるから大丈夫、という認識はナンセンスだと思っているはずです。
アメリカのコミュニケーション文化においては、複数の異なる案件を天秤にかけて、中庸を選ぶという発想はほぼないということを理解したいのです。トランプ大統領はそんなアメリカのコミュニケーション文化を、ステレオタイプといっていいほどに代弁する人物です。複数の案件があるときに、一つの事柄が大丈夫だから他の案件もさほどの問題ではない、と楽観することは禁物なのです。
東アジアでも、韓国や台湾との緊密な連携が必要十分条件です。近年緩和されたとはいえ、日韓が戦前の日本の行為への責任問題による摩擦から、経済問題で歩み寄れないことは愚の骨頂です。東アジアの国々が連携すれば、当然アメリカのみならず、中国にも強いカードが切れるはずです。
日本からEUへの強い働きかけも大切で、そうしたパフォーマンスを具体的な行動で示すべきでしょう。首相がアメリカと交渉しつつ、まずフランスやドイツを訪問し、同時に中国や韓国へも目に見える形でコンタクトをとるといったパフォーマンスが求められます。
関税引き上げを乗り越える戦略が求められている
しかし、政府関係者や一部の専門家が言っているように、トランプ大統領に対して地道に細かく根拠の過ちを説明しても、トランプ政権は何も動かないはずです。双方にとってのベネフィットを明快に強調することが肝要です。というのも、彼らが見ているのは、彼らの支持母体となる有権者で、日本ではないからです。大切なのは民意であって、一般のアメリカ国民をターゲットとした世論形成が必要であることを、ここに強調します。
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