About 250,000 protesters rallied in Munich against Iran’s government, heeding exiled Crown Prince Reza Pahlavi’s call for intensified international pressure on Tehran.
冬季オリンピック報道に隠されてしまう反イラン政府デモ
ある情報によれば、犠牲者は4万人を超えているともいわれています。今、イラン情勢は混沌とした状況のまま、怒りをどこに持ってゆけばよいかという閉塞感と、ここからなんとか突破口を、という人々の想いが入り混じって、世界中にデモの余波が拡散しています。
実は、日本でも先週末に、東京でイラン系の人々を中心とした反イラン政府集会とデモがありました。しかし、同日にドイツのミュンヘンを埋め尽くしたイラン系の人々の抗議活動は、規模や激しさがその比ではありません。25万人を超える人々がイラン政府を糾弾する集会に参加したのです。この日、イラン王室の血をひくパーレビ氏の呼びかけで、世界中で抗議運動が展開されたのです。カナダのトロントでは、その数は35万人にのぼったと報道されています。ロサンゼルスでも同様です。
日本は、イランとは石油などの輸入相手国であるということで、こうした国際問題に対する公でのスタンスの表明を避けてきました。そのことが、日本の報道の怠慢につながり、世論の無関心の原因にもなっているのかもしれません。

介入に踏み切れないアメリカと“MIGA”を期待するイラン国民
アメリカの利益を優先しようと、極端な移民排斥や関税政策を進めてきたトランプ政権は、当初からイランに対して強硬な立場を表明してきました。これはイランでの自由を求める人々を大きく刺激しました。しかし、トランプ政権のさまざまな政策が内外で批判されるなかで、トランプ大統領は中間選挙でどのように自らの政治基盤を維持するかに必死です。それがトランプ大統領のイランへの行動にブレーキをかけているのです。
「イランはベネズエラやグリーンランドとは違い、本当にアメリカが取り組んで欲しい状況なのに」と、イランから亡命している多くの人々は嘆いています。
America Great Againになぞらえたスローガンまで掲げられました。これは皮肉な事実です。というのも、このトランプ氏のスローガンのもと、アメリカに住む多くの移民が逮捕と送還の脅威に晒され、そうした政策を断行するトランプ政権の人種差別への抗議の輪が全米に拡大しているからです。そんなスローガンを、イランの人々が自由を求める抗議行動に使用していることの皮肉な事実こそが、イランの悲劇であり、イランへの国際社会の対応のねじれを生み出しているのです。
であればこそ、Make Iran Great Againとアメリカの介入への悲痛な期待を表明している人々の行き場のない辛さが滲み出てきます。世界の世論が、この複雑さをどこまで理解し、イランへの対応を考えてゆくかが気になります。

「報道の自由」があるとは言い難い日本のメディア
しかし、もし日本が民主主義国家で、かつ先進国だという自負を持っているならば、もう少し地に足のついた海外からの情報があってもよいはずです。
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『日英対訳 英語で話す中東情勢』山久瀬 洋二 (著)
さまざまな宗教・言語・民族が出会う世界の交差点・中東の課題を、日英対訳で学ぶ! 2023年10月に始まったハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃と、イスラエル軍によるガザ地区への激しい空爆と地上侵攻は世界に大きな衝撃を与えました。中東情勢の緊迫化は、国際社会の平和と安定、そして世界経済にも大きな影響を及ぼします。地理的にも遠く、ともすれば日本人には馴染みの薄い中東は、政治・宗教・歴史などが複雑に絡み合う地域です。本書では、3000年にわたる中東・パレスチナの歴史を概説し、過去、現在、そして未来へと続く課題を日英対訳で考察します。読み解くうえで重要なキーワードや関連語句の解説も充実!
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