United States is “winning decisively, devastatingly and without mercy” in its military campaign against Iran.
アメリカによるイスラエル支援の背景に「福音派」の支持
日本人の多くは、どうしてアメリカはそこまでイスラエルに肩入れするのだろうか、と思うでしょう。ユダヤ系の人々の財力や、彼らの陰謀論などをまことしやかに語る人もいるでしょう。しかし、それは事実無根で、危険な人種差別です。
もちろん、福音派の全ての人がトランプ氏を支持しているわけではなく、福音派という具体的な宗教団体があるわけではありません。福音派とはキリスト、そして聖書の言葉を忠実に実行しようとするプロテスタントの人々で、そのカテゴリーにはさまざまな宗教団体が含まれています。
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福音派の保守層は、このプロテスタントとしての原点に回帰したアメリカの姿を求めて、トランプ氏をサポートしているのです。
彼らにとって、トランプ大統領は、その目的に向かって剣を持って戦う騎士であり、エプスタイン文書などのスキャンダルやモラルの問題を流布する人々は、その騎士を陥れようとする悪魔の集団だと考えているわけです。こうした人々が、トランプ政権の岩盤支持層となっていることで、トランプ大統領はイスラエルとの共同作戦を推し進めているのです。
それに対して、福音派の人々はイスラエルのネタニヤフ大統領の行動こそが、真のイスラエルの再興で、そこにキリストが降臨する土壌を作っていると主張します。つまり、現在のイスラエルの政権は、そうしたアメリカの福音派の世論をしっかりと掴んでトランプ大統領を動かすように工作しているといえましょう。
彼らと、イスラエルのネタニヤフ首相を支援するユダヤ教右派の人々は、宗旨や宗教的な理念に相違はあるものの、イスラエルを偉大な大地として崇める基盤を作ろうという意味で共通した戦略を持っているのです。

政教分離の原則と民主主義の秩序が壊されてゆく現実
問題は、こうした神学論のような論争が、実際のイランとの戦争や、アメリカ第一主義の政策に活用されていることです。これは、17世紀以降、ヨーロッパで迫害されたプロテスタントの移民が、アメリカを「神から与えられた土地」として意識していたこととも一直線でつながる考え方です。当然、当時と現在とでは社会の状況も世界情勢も大きく異なります。そこに、こうした意識に支えられたアメリカの政策が超大国の暴走という形で進められているところが、現在の国際情勢に混乱を招く原因となっているのです。
つまり、世界や我々の社会を守っている現代のガードレールが軋んでいるのです。これまでの記事でも何度か指摘した民主主義のガードレールである法の支配や、三権分立の原則などが無視されつつあるのです。
実際に、アメリカでは他国と戦闘状態に入るには議会の承認が必要ですが、トランプ政権はその手続を踏んでいません。大統領が勝手に他国に関税をかけることを違憲であると最高裁判所が判断しても、彼はその決定を無視するかのように、いまだに関税を外交交渉の腕力として活用しています。

主要先進国の一つである日本も責任ある態度を示すべき
最後に、福音派の中にも、今のアメリカの方針に不満や失望感を抱いている人々が存在する事実もあるということを、ここに確認したいと思います。
さらに、トランプ政権がこうした右派の強硬派とカトリックの閣僚との微妙な均衡の上に成り立っている政権で、決して政権内部が一枚岩ではないことも、押さえておきたいと思います。
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