Rearm Europe has sparked debate. While many welcome its ambition and the EU’s growing role in defence, concerns remain about democratic oversight, defence market fragmentation, and economic sustainability.
ヨーロッパ各国からみたアメリカと世界情勢
その中で今のヨーロッパの人がみる世界情勢について率直な意見をきいてみました。
彼はいいます。デンマークの人々はもともと親米ムードが高かったと。
理由は簡単です。第二次世界大戦の折にデンマークはナチスドイツの占領を受けました。その折に占領を免れたグリーンランドはアメリカの保護を受けて、対ドイツ戦争を継続した経緯があります。
その後、ナチスドイツをアメリカの主導で崩壊させたことから、デンマークの人々はアメリカへの恩を心の中に抱いていたというわけです。
もともとデンマークの人々には、トラスト(trust)という言葉を大切にする文化があるといわれてきました。つまり、紙に書かれた約定よりも、人と人との絆による信頼関係に重きを置くという伝統があったようです。
ところが、第二次世界大戦以来のアメリカへのトラストが、今回のトランプ大統領によるグリーンランド領有の脅しによって根本から覆されたと彼らは思っているのです。
ドイツはナチスドイツでの周辺国への侵略や人権抑圧の経験から、デンマークだけではなく、ヨーロッパのあり方そのものに常に気をつかってきた経緯があります。また、ユダヤ人虐殺の経験から、イスラエルについても特別な配慮を欠かしませんでした。
そんなドイツでも、最近の政治上の右傾化の流れを止めることは難しく、移民政策などを厳格にし、ドイツの利益を重視すべきという政治勢力が台頭していたことは事実です。
その結果、EUとしての結束の必要性をヨーロッパ全体が、政治的な立場の違いとは関係なく意識しはじめているのではないか、と彼は説明してくれたのです。
この発言には、デンマークの人も同意します。
きっとEUを離脱したイギリスでも、今ではEUに戻りたいという民意の方が強いのではと彼らは話します。

各国が抱える分離独立運動とEUへの帰属意識
それを受けるように、ドイツもイスラエルとの関係を配慮しながらも、アメリカへの協力には難色を示したのです。スペインは、こうしたヨーロッパやその周辺での新しい動きをもちろん民意として歓迎します。スペインは、伝統的に内部に分離独立運動の動きを抱えています。北部のバスク地方や南東部のカタルーニャなどでは、そうした独立運動が今でも燻っていますが、仮に独立してもEUには独自で加わるべきだという主張が根強いのです。
日本で教鞭をとるスペインの知人は、もともとバスク出身の人で、バスクの独自の文化や言語を自らの伝統として誇りに思う人です。そんな彼も、仮にバスクが独立したとしても、EUにはスペインと同様に加盟するべきだと語ります。
しかし、そんなグリーンランドも、トランプ大統領の領有への意思表示以来、ヨーロッパとの連携を強化するべきだという世論が沸き起こっています。
ということは、ヨーロッパ諸国が地域ごとに抱えていた分離独立運動が、EUという大きな求心力でみたときには、より大きな融合帯としてその価値が見直されていることになるわけです。
トランプ政権のグリーンランドやイランなどでの極端な政策、さらにトランプ関税と呼ばれる一方的な経済政策は、逆にヨーロッパ内部の連携強化を求める民意を強く刺激していることになります。ヨーロッパ内部で燻っていたEU内での分断やEUからの自立の動きが一挙に色褪せてきたことがわかります。
彼らは声を揃えて語ります。アメリカがあまりにも大きくなりすぎたことが、そもそもの問題だと。そのアメリカが暴走したとき、ヨーロッパはどうすればよいのかというのが、戦後アメリカとの絆を重視してきた彼らの心に大きな疑問を投げかけているのです。

EUの再評価と“同盟国”日本の連携のあり方
フランスやイタリア、そしてスペインやドイツなど主要国での動向をみながら、日本も外交問題では是は是、非は非として、自らのスタンスを曖昧にしないことも必要なのではと思われます。
もし許されるのならば、日本が極めて遠隔地にありながらも、EUとのさまざまな連携を、あたかもEUに加わっているかのように、より本格的に強化してゆくことも考えるべきなのではないでしょうか。
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