前回は、欧米の人は、相手の話している内容を確認したり、コメントをするために、話しの途中でもどんどん割り込んで、質問をしたり自分の意見を述べたりする風習があるということについて、解説しました。
こうしたアプローチを受けた日本人は、慣れない英語で必死に話をしているだけに、戸惑ってしまいます。
そして、欧米の人は横柄だとか、人の意見を聞かないとか、さらには、結局彼らは自分たちが一番だと思っているなどといった誤解を育みます。
そうした誤解につながるものとして、さらに知っておきたいのは、会話をするときの彼らの姿勢です。
欧米では、ビジネスなどで話をするときは、できるだけリラックスした態度で会話にのぞみます。
足を組んで、ゆったりと椅子に腰掛けて、手はうしろ頭で組んだりして。
これが、見知らぬ相手と話をするときには姿勢を正して応対するべきだという常識を持つ日本人からみれば、とんでもなく横柄で威張った態度に思えるのです。
しかも、そうした姿勢で、相手が話をしているときに割り込んだりするものですから、日本人であるあなたはびっくりしてしまいます。
昔の映画などによくある、警察の捜査官の前にいる容疑者のような気持ちになってしまうのです。しかも相手は英語が母国語。どんどん相手のペースにはまってゆきます。
しかし、これはあくまでも日本人の日本の中での常識に従って、相手を判断しているに過ぎないのです。
欧米では話し手の話す内容に興味をもっているからこそ、積極的に話し手に働きかけます。そして、相手を威圧せずにカジュアルに話そうとするからこそ、日本人からみれば威圧的に見えさえするリラックスした姿勢に終始するのです。
このことを理解せずに会話にのぞめば、「アメリカ人は横柄だ、結局我々は見下されているんだ」などといった誤解につながりかねないというわけです。
異文化間でのコミュニケーションには、このように思わぬところに「誤解の落とし穴」があるのです。
しかし、一旦その原因が分かってしまえば、相手への見方も変わり、こちらも緊張をする必要がなくなります。
次回は、こうした異文化の中でも最も困難な、スピーチやプレゼンテーションのときの話の展開の仕方について、日本人と欧米人とではどのような違いがあるのか解説します。
それではまた4日後に。
See you!