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飲み物のオファー: 遠慮は日本の風習

前回では、海外で相手のオフィスなどを訪問し、自己紹介をするところまでの様子をまとめてみました。

自己紹介の後は、いよいよ打ち合わせに入ります。
しかし、その前に、必ず相手は飲み物などをオファーしてくるはずです。

日本では、こちらから何かを頼む前に、お茶ならお茶、コーヒーならコーヒーと、ホストが勝手に飲み物をアレンジします。

しかし、欧米では、

“Would you care for something to drink?”
(何か飲み物はいりませんか?)

あるいは、
“Would you care for something to drink? We have coffee, tea, coke and water.”
(何か飲み物はいりませんか?コーヒー、お茶、コーラ、水などがありますが)

などといって、こちらにチョイスを促します。

これに対して、我々は遠慮なく自分の欲するものを伝えましょう。
最悪なのは、「どうぞおかまいなく」などと言って、曖昧に断ることです。遠慮は日本の風習、その呪縛に引っかからず、自分の欲するものをちゃんと伝えてるように心がけましょう。

“Can I have a coffee with milk?”
(コーヒーにミルクをつけてくださいますか)

といったように。
また、無理をしてコーヒーを飲む必要もありません。

“Just water, please.”
(お水をお願いします。それだけで結構です)

という風に言ってもまったく問題ありません。ともかく、自分の意思を明解に表明するのです。

朝一番の打合せなどの場合は、オフィスにマフィンなどのスナックを用意してくれることもあります。
そうしたときは往々にしてセルフサービスとなりますが、おなかがすいていれば、遠慮なく好意に甘んじましょう。
日本人は午後のアポを好む傾向がありますが、アメリカでは特に管理職の人はランチでの打合せを比較的長くとるせいか、午前中のアポを好む人も多くいるのです。そんなときに、こうした口に入れるものを用意してくれることもあるのです。

ところで、自己紹介を済ませ、スモールトークなどを交わす頃から、多くの日本人は、本場での英会話でのコミュニケーションの現場にさらされます。

そうしたときに、常に頭にいれておかなければならないことは、いかに自分の意思をしっかりと相手に伝えるかということです。

ビジネスでの会話でも、日常会話でも、自らが進んでニーズを言い、自分の意思を示すことが大切です。いわゆる礼儀を重んじて遠慮するという発想はかえって相手の誤解を招きます。

これを理解するために、アメリカのレストランでのお客のオーダーの仕方をみてみましょう。例えば、ウエイターとの間に次のような会話が交わされます。

お客: I’d like the salad with the dressing on the side. And could you make the bacon extra crispy please?
(サラダをください。ドレッシングは横において。そしてかりかりに焼いたベーコンを多めにお願いします)
ウエイター:Sure, no problem. Anything else?
(了解しました。ほかにご要望は?)

日本ではこのような注文の仕方はあまり見かけません。
仮にそうした場合、ウエイターは対応に苦慮するはずです。もちろん、お客には個人的な好みもあるでしょう。しかし、それを敢えて強く主張することは憚られます。遠慮の精神でしょうか。

また、日本の場合、レストランも最初から「このようなメニュー」というような型を決めています。 すなわち懐石料理が最初から決められた順番に従ってだされていくように、「セット」として用意され、それ以外の細かい調整やチョイスに対しては、高級レストランで事前に頼んでおかないかぎり、柔軟ではありません。

もし欧米の人がこうした日本のシステムに触れた場合、融通がきかず冷たい対応だと思ってしまうこともあるのです。

ニーズをいうこと。そしてそれに対する対応を検討すること。レストランでのやりとりは、そのままビジネスの世界にも応用できるのです。
次回はそんなことをさらに詳しく解説してみましょう。

また4日後に

See you!!

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