“We tend to focus on “the usual suspects”―companies that have been rivals for many years and are based in our home market or another developed economy location. Yet strategy experts warn that the most dangerous competition can enter a market from another industry or as a start-up. There is a global version of this phenomenon, which is the emerging market company that was not on anyone’s radar screen, but is growing and could soon become a force around the world. Such companies are potential competitors, but also possible customers, suppliers, or partners.”
それには今回の新型コロナウイルスのパンデミックが大きく影響しています。我々は9.11(アメリカ同時多発テロ事件)、リーマン・ショック、東日本大震災、今回のパンデミックと、ここ20年で大きな外部要因に翻弄されました。しかし、これはすでに Philip Kotler の「Chaotics」を2015年1月5日の記事でも解説した通り、予測されていたことなのです。今、我々は異変が日常、変化が日常の世界にいるのです。
ただ、それが世界中で一挙に加速していることと、そこにパンデミックによる地球規模の経済的な混乱が要因として加わることが、今回の特徴でしょう。
加速するオンライン化
今まで世界20カ国で、様々なビジネス分野で活動する25名の人々にインタビューを重ねてきました。その中で、ナイジェリアの医療従事者をのぞいたすべての人に、ビジネスの現場と今後の予測について尋ねてみました。
すると、実際に24名すべての方が例外なく、ビジネスのオンライン化が加速すると明言しています。当たり前だといえばそうですが、面白いのがその試みと試行錯誤が広い範囲で進んでいることです。
トルコでは、インタビューを受けた会社経営者の仕事が80%減少したと、深刻さを訴えます。しかし、20%の顧客との関係維持はすべてインターネットで、これから残りの顧客との関係を復活させるためにも、変化への対応は必須だと言います。インフラに課題が残るのはトルコも南米のコロンビアも一緒ですが、コロンビアは政府主導で急速なオンライン化を教育現場に導入するようです。
フランスの世界企業の人事部責任者へのインタビューでは、今彼女は郊外の自宅から海外の仕事を管理し、その状況が日常化しようとしています。秘密保持の関係でインタビューの詳細は公開できませんが、世界の複雑な人事ネットワークをいかに把握するか、今様々な試行錯誤が行われていると言います。
そうした中、オンライン化が遅れていたアメリカ有数の語学学校チェーンが、留学生の帰国でビジネスの閉鎖に追い込まれました。語学教育は人とのコミュニケーションが大切で、実際の面談による授業に頼っていたことが経営危機の原因です。一方、中堅の学校では半年前からオンライン化を推し進め、中国の留学生などとオンラインレッスンを進めていたことが、業務の維持に貢献しました。
来たるビジネスの「下克上」時代
まずは、21世紀型のグローバル企業を見てみましょう。株価を見ると面白いのは、アマゾンのビジネスモデルです。
アマゾンは今回のコロナ騒動で、製薬会社と共同して検査薬の製造に乗り出します。彼らはすでにアメリカの大手自動車メーカーと組んで新しい電気自動車を開発し、最も大きな市場であるピックアップトラックの製造に乗り出していることは、以前に紹介した通りです。また、バージニア工科大学と同盟して、様々な先端分野での商品開発にも積極的です。
チェコからスイスのジュネーヴに移住し、そこでデジタル社会と今後の人類のあり方についての映画を制作している、ジャーナリストにインタビューしました。彼は、人と人とのコミュニケーションの進化についての懸念も表明しています。パンデミックに襲われ、人々がアパートに孤立し、インターネットを使ったやり取りが大幅に増えた一方、閉じ込められた人々の間で離婚率も急増しています。
ヘッドラインで紹介した著者は、その課題を調査する、カリフォルニアに住む友人です。彼は、こうした時代になればなおさら、人と人との面談による交流や、出張による地域コミュニティへの理解、その背景に基づいた多様なマネジメントスタイルや経営方針の柔軟性を学ぶことが大切であると主張します。
組織構造の変化とマネジメント課題
企業がテレワークやインターネットといった、新たなネットワークで繋がることは、企業内がウェブのように、様々な役割がグローバルレベルで交錯することを意味します。今までの縦型、ピラミッド型の単純な組織構造が維持できにくくなる可能性があるのです。
つまり、ピラミッド型からマトリックス型の組織、上下関係からネットワークによって支えられる組織へと企業構造が変化し、複雑な組織の中で多様な知識がチームごとに集まってイノベーションが行われるようになるのです。
これは、伝統的な組織構造とマネジメント構造、そしてその組織になじんできた日本人にとっては未知の課題です。しかし、世界の多くの企業はすでにその対応に慣れながら、組織を拡大しています。
このテーマは、今後さらに追いかけてみたいと思います。
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コロナウイルスに関して、今世界がどう向き合っているかという生の声を届けるために、世界の友人に直接行った電話インタビューをYouTubeにアップしています。
⇒YouTubeのIBC Publishingチャンネル から閲覧できます。
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