A missile attack on an ambulance convoy has drawn severe criticism, including from the U.N., but Israel says it was transporting Hamas fighters.
今ウクライナと中東で起きていることの背景を整理すると
まず、アメリカは西ヨーロッパと経済的にも軍事的にも同盟しています。西欧との同盟を通して、アメリカは自国の経済的、軍事的な影響力を拡大しようとEU(アメリカは加盟していませんが)とNATOにテコ入れし、それに対してロシアが警戒感をあらわにします。こうしてアメリカとロシアとの対立が生まれ、ロシアがウクライナに侵攻したことで、その対立が現実の戦争にまで拡大しました。当然アメリカは全力でウクライナを支援せざるを得なくなります。
となると当然、中東の国々とアメリカは対立します。特にイスラエルに強く反抗するイランやシリア、さらにはイラクなどの国々とアメリカは伝統的に敵対してきました。ロシアは、こうした状況を利用して反米戦略の一環としてシリアやイランとの同盟を強化してきたのです。ですから、ウクライナにロシアが侵攻したときも、イランはドローンをロシアに提供するなど支援を惜しみませんでした。
権威主義を指弾するアメリカの民主主義が機能しない現実
ロシアやイラン、そして中国というアメリカと対立する国家をアメリカは権威主義国家として非難し、そこでの人権問題や民主化運動への抑圧を指弾します。しかし、そんなアメリカが、イスラエルが自らの市民がテロの犠牲になったことを口実に、パレスチナ人に危害を加え、自らの生存権を誇示しようと、ガザ地区で罪もない病人や子どもまで殺害している様子を黙認しているわけです。政治が民主主義という理想のために機能していないことを白日の下に晒したのです。
例えば、イスラエルにハマスが侵攻し人々を殺害し、人質をとったとき、西側のマスコミはその家族の悲しみを詳しく報道し、人質をとられた家族へのインタビューなどを繰り返し報道しました。しかし、イスラエルがガザ地区を爆撃している様子は、遠目に見た爆撃の様子のみで、その瓦礫の下に埋もれる人々の家族へのインタビューは多く見られませんでした。
であれば、ハマスがイスラエル人をはじめ200名以上の人々を人質にしていることを非難することと同じレベルで、パレスチナ人を人質にしていることにもマスコミはスポットを当てなければなりません。そうすれば、イスラエルは、パレスチナ人は盾になっていても構わないのでガザの攻撃を断行し、そうした人々を殺害していながら、200名以上の人質に対しては犠牲者として同情を集めようとしていることが視聴者にも伝わるはずです。
その地に生きる人々より自国の利益を優先する情勢のなかで
こうした内外からの指摘の中で、アメリカの外交戦略が、戦後の対ロシア・中国戦略と中東での対イスラエル戦略の矛盾の中で行き詰まりつつあるのです。バイデン政権は激しい頭痛に悩まされていることになります。
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