As a former philosophy professor with over 12 years of experience working on emerging tech, Dr. Van Hollebeke is committed to confronting the socio-technical challenges that strain existing legal and societal norms and make people think through what they value most (and how to preserve and enhance those things!).
AIが社会に不可欠な存在となってきた今、人間は
ある人は、翻訳や通訳はもはや必要がなくなるのではないかと指摘します。また、多くの人は物語の創作や出版活動は今後急激に衰退するのではないかと予言します。
AIは異文化コミュニケーションを代行できるのか
実験では、日本人とアメリカ人との間で会話をしてもらいます。まず、日本人が自らの考えを口頭で述べて、それをAIが聞き取り、自動翻訳して相手に伝えます。そのインプットを受けたアメリカ人が、インプットへの返事を音声で語り、今度は日本人にフィードバックをするのです。
すると、目的地までの道案内といった単純な会話であれば、AIはほぼ通訳の任を果たしてくれます。
アメリカ人からみれば、最も伝えたいはずのテーマが「気象異変への懸念」であるならば、台風の話からはじめるのではなく、その懸念を真っ先に述べるはずだと思っているからです。
したがって、日本人が台風のことを話したがっていると誤解したアメリカ人は、最近フロリダを襲ったハリケーンの話を持ちだして、そのエネルギーの凄さを述べようと日本側に話しかけたのです。
この混乱や誤解を克服するためには、AIに指示をだすプロンプトの作成段階で、相当詳細な命令をインプットしなければならず、実際の会話のやりとりに対応してそれを実行することはほぼ不可能だったのです。
英語を母国語としているフィリピン人に、アメリカ人の英語を聞き取ってもらったのです。そして、その内容をどれだけ理解できたかを問いかけます。するとフィリピン人は、言葉としては100パーセント理解できたと回答してくれました。そのうえで、さらにアメリカ人が最も強調したいことは何だったのかと問いかけたところ、言葉は理解できたものの、そこに込められた仕事上での緊急性や重要性については十分に理解できなかったと答えたのです。
何度か似た実験をした結果も同様でした。つまり、英語で語り合っている者どうしでも、レトリックとコミュニケーションスタイルが異なっている二つの文化を超えて、その意図を完璧に伝達することは困難であることがわかったのです。この意思疎通を可能にするためには、何度かお互いに確認をし合い、疑問点を出し合いながら、慎重に会話を進めなければならないことが証明されたのです。
人類が迎えるのは思考の深化か、退化か
科学は、人間が抱くさまざまな脅威を取り除くためのツールを提供してくれます。しかし、時には科学が発展すれば、人間の行動パターンが変化し、肉体的にも意識のうえでも不要となった部分が退化する可能性があるはずです。
我々はそのバランスのあり方を今まで以上に求められるような時代に入ろうとしているのです。
* * *
『英語で読む大阪』エド・ジェイコブ (著)
2025年、万博開催で世界が注目する街「大阪」をシンプルな英語で紹介! 英語の多読学習をサポートする「ラダーシリーズ」の特別編、日本の魅力溢れる街を紹介する【ご当地ラダー】に“大阪”が登場です! 人口800万人を超える西日本の中心的都市、大阪。豊かな食文化などはもちろん、古来より政治、経済、文化の中心地として繁栄した大阪には、古墳や寺社仏閣などの歴史的建造物も多く、日本人はもちろん、海外からの観光客も多く訪れています。今年、万博が開催されることで、ますます世界から注目される「大阪」を英語で紹介します!
山久瀬洋二からのお願い
いつも「山久瀬洋二ブログ」「心をつなぐ英会話メルマガ」をご購読いただき、誠にありがとうございます。
これまで多くの事件や事故などに潜む文化的背景や問題点から、今後の課題を解説してまいりました。内容につきまして、多くのご意見ご質問等を頂戴しておりますが、こうした活動が、より皆様のお役に立つためには、どんなことをしたら良いのかを常に模索しております。
21世紀に入って、間もなく25年を迎えようとしています。社会の価値観は、SNSなどの進展によって、よりミニマムに、より複雑化し、ややもすると自分自身さえ見失いがちになってしまいます。
そこで、これまでの25年、そしてこれから22世紀までの75年を読者の皆様と考えていきたいと思い、インタラクティブな発信等ができないかと考えております。
「山久瀬洋二ブログ」「心をつなぐ英会話メルマガ」にて解説してほしい時事問題の「テーマ」や「知りたいこと」などがございましたら、ぜひご要望いただきたく、それに応える形で執筆してまいりたいと存じます。
皆様からのご意見、ご要望をお待ちしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
※ご要望はアンケートフォームまたはメール(yamakuseyoji@gmail.com)にてお寄せください。