Biden made Trump bigger. Harris makes him smaller.
バイデンもトランプも支持しない「ダブルヘイター」たちの胸中
彼は夏頃までは、バイデン大統領、トランプ前大統領双方に対して投票をする意欲を持てないでいました。トランプ氏にはいくつもの疑問を抱くものの、バイデン大統領の失言などにうんざりして、結局はトランプ氏に投票するかもしれないと、私にぼやいていたのです。
アメリカには、こうした有権者が多数いたはずです。“He is idiot.”(あいつは愚か者だよ)とトランプ前大統領を酷評していた人々が、今回の民主党の変化にほっと胸を撫で下ろし、これでアメリカは安定するだろうと思っているわけです。
しかし、共和党が右傾化し、トランプ前大統領への一極集中現象が起きたことで、ここ数年は民主党支持にまわっていたのです。
スイング・ステートと呼ばれる、共和党と民主党支持者が拮抗していた州で、前回バイデン大統領が勝利したのも、彼のような元々共和党を支持していた人々の鞍替えの影響が大きかったのです。
伝統的な共和党がみせた変化と民主党のアピール戦略
そして、このアピールに同意したのが、都市部を中心とする従来の共和党支持者だったのです。この変化が4年前にバイデン政権を生み出しました。
そうした状況に危機感を抱いたのは民主党に他なりません。
こうしたハードルを乗り越えるために、バイデン大統領が出馬を諦め、カマラ・ハリス副大統領が民主党の正式な大統領候補となりました。状況が大きく変化し始めたのは、カマラ・ハリス氏が副大統領候補にティム・ワルツ氏を指名したときのことでした。
選挙の如何にかかわらず日本は「不動の姿勢」を貫くべき
すでに共和党のバンス副大統領候補が、ワルツ氏がイラン戦争の前に退役したことを兵役詐称だとして、メディアで彼のことを痛烈に批判して話題になっています。ただ、トランプ前大統領自身がさまざまなスキャンダルにまみれている中で、こうした論争がどこまで効果的かは疑問が残ります。
「誹謗中傷をすればするほど、自らが品位を落としてしまう」とある有権者は指摘し、トランプ氏とバンス氏の行う民主党候補への攻撃にうんざりしてきている人も多くいるのです。
それには、共和党がしかけてくる誹謗中傷と同じレベルの土俵で戦うことへの注意が必要です。より建設的な政治的ビジョンを、ロジックをもって繰り広げながら、要所要所で共和党の弱点をついてゆければ、今回の選挙の勝敗はおのずと見えてきそうです。
であればこそ、日本は自国の利益をしっかりと見極めた「不動の姿勢」を貫くことが今まで以上に重要になってくるのです。
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