未来志向のアメリカ人。過去にこだわり、過去の問題の責任をまずはっきりさせてから未来に進むことをよしとする日本などアジア人と、この意識の違いがビジネスなどで摩擦を産み出すことがよくあります。
もともと未来を築くために移民として新大陸にやってきた人が集まるアメリカでは、過去をとやかく言ってもはじまらないという発想が育って当然です。
しかし、脈々と長い歴史を積み上げてきた国々では、過去へのプライド、さらには過去への執着が発想の土台にあるのも、これまた当然です。
過去があって、現在があり、そして未来があると考えるとき、そのどこに重きをおくかは文化によって異なるのです。
アジアの人々は多くが過去に重きをおき、アメリカや英語圏の人の多くは未来により興味を抱きます。
ですから、例えばビジネスの会話などで、我々が、過去におきたミスや問題をまず徹底的に検証しようという姿勢をとっても、相手はそれほど熱意を持って対応せず、こちら側はなんて無責任なんだと思ってしまうことがよくあるのです。そして、その怒りを相手にぶつけても逆効果。却ってお互いのモチベーションに水をさしてしまうのです。
Get over it and move on. そうした彼らの意識を象徴しているこの一言。「過去は過去、克服して前に進もう」というわけです。
この一言、逆に考えれば、相手が何か失敗したときに、元気づける一言として使ってみるのも一案です。
ちかいうちに、このギャップについて、「世界の心の交差点で」のコーナーでも取り上げてみたいと思います。
それでは、また。