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世界一「面倒臭い国」の洗礼:アスワン空港での白熱の交渉ゲーム
これをゲームだと思って楽しまない限り、旅で嫌な思いをすることもあるでしょう。しかし、それでいてやはりエジプトやインドは旅人を強烈な個性で惹きつけます。そこで、面白い体験談を紹介します。
「あのね。街まで行くだけなのになんでそんな高いの。200エジプトポンドしか払わないよ」と大声で運転手達に言い放ちます。160ユーロといえば2万円以上、現地通貨で200ポンドは600円強。これくらいハードルの高い?ゲームを仕掛けてくるのは当たり前のことです。しかし、エジプトで一般のサービスについて交渉するとき、なぜか160ユーロという金額をよく聞くのも不思議なものです。
すると彼らは一様に「あり得ない」と言います。見渡すと、客は私一人。つまり、交渉のカードはこちらにあります。私一人をなんとかゲットすることで、彼らはそれなりの収入にありつけるからです。
10分間押し問答を繰り返し、「いいよ。それなら空港に戻ってホテルに電話して車をまわしてもらうだけだから」 そう言って立ち去ろうとすると、一人の年配の男が近寄ってきて、「いくらなら出すんだい」というので、「200ポンドって言ったよね」と繰り返すと、耳元で、「500でどうだい?」と言ってきます。
外国人の場合、700ポンドぐらいすることもあると情報を事前に頭に入れておいたので、「300なら手を打とう。君がいいドライバーなら、翌日も仕事を頼むかもしれないし」「わかった。300。それでいいよ」
「いるんだよ。こっちの物価とか何も知らないで、言うがまま払うお客もいるから、みんな160ユーロと最初にふっかけるのさ」と悪びれることもなく、彼はそう言います。町まではものの20分の距離でした。
交渉の先にある出会い:ツアーでは味わえない「現地のリアル」
多くの人がこうした交渉が面倒なためにツアーを頼みます。しかし、そうすれば自由は奪われ、ガイドに従って歩いて、お土産物屋に寄ってというふうに、本当のその国の風俗習慣に身をもって感じることはできません。トラックの列がスーダンに物資を運んでいる現実も、タクシーの運転手が話してくれなければその実態は分かりません。そして、食事は運転手の友人のレストランで、文字通り現地の淡水魚を焼いたもの。これは確かに絶品でした。支払ったのは200ポンド少々。

憧れのアスワン神殿まで行けたのもあのドライバーのおかげ。
時間と安全はお金で買う:カイロの深夜到着で見せた「旅の極意」

エジプトやインド、あるいはこれからも見知らぬどこかの国を旅するとき、この二つの事例を常に頭に入れて、安全と時間はお金で解決しながら、よしやるぞというときは、決して相手の言い値にのらず、交渉のゲームをしぶとく楽しむことができれば、その国の「本音」を満喫できる旅になるはずです。
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『日英対訳 英語で話す中東情勢』山久瀬 洋二 (著)
さまざまな宗教・言語・民族が出会う世界の交差点・中東の課題を、日英対訳で学ぶ! 2023年10月に始まったハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃と、イスラエル軍によるガザ地区への激しい空爆と地上侵攻は世界に大きな衝撃を与えました。中東情勢の緊迫化は、国際社会の平和と安定、そして世界経済にも大きな影響を及ぼします。地理的にも遠く、ともすれば日本人には馴染みの薄い中東は、政治・宗教・歴史などが複雑に絡み合う地域です。本書では、3000年にわたる中東・パレスチナの歴史を概説し、過去、現在、そして未来へと続く課題を日英対訳で考察します。読み解くうえで重要なキーワードや関連語句の解説も充実!
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