Constructive feedback is a response to someone’s activity aimed at helping them become more effective.
アメリカで部下にフィードバックをするときは
上司は、そんな部下に注意をするときに、気をつけなければならないことがあります。
それは、注意する個人に対して、独立した対等な人間として接しながら話し合うという姿勢を持つことです。つまり、部下の年齢や地位とは関係なく、同等な人間として話し合う姿勢が求められるのです。
次に、問題の箇所について、お互いに話し合い、今後ミスを防ぐためにはどのようにすればよいかという点について、双方で合意をした上で打ち合わせを締めくくるのです。
もちろん、最後には部下を励ますことも心がけなければなりません。この話し合いは個室で行い、他の人の前で叱責をすることはタブーです。
このフィードバックのテクニックは、アメリカで部下をマネージしてゆく手順として、MBAなどでも取り上げられています。上司は部下の仕事のプロセスには口を出さず、結果をもって常にこうしたフィードバックを繰り返すことで、部下のキャリアアップにも、業務実績の向上にも寄与しなければならないのです。
欧米とアジアとで異なるビジネスでのやり取りのとらえ方
実際、アジアで部下をマネージするときは、時には親のような親身さをもって部下のプライバシーにも多少は触れながら、激励してゆくケースが多く見受けられるのです。これは、アメリカとアジアとの興味深いビジネス文化の違いといえましょう。
実際、あるアメリカ人のディレクターのケースでは、アメリカ型のフィードバックをインドネシアで行ったために、部下が退職してしまったことがありました。彼の場合は、優秀な若手社員が、価格決定の際に顧客にインセンティブを与えすぎたことを注意したときに、この問題が発生しました。
アジアの人々からみると、アメリカ型のフィードバックを受けたとき、多くの人が「何か悪いことをした」というふうに罪の意識を感じると述懐します。
それに対して、アジアなど他の社会の多くは、心のやり取りとビジネスでのやり取りとの区別がつけられないのです。
プロテスタントから育まれたビジネス文化と資本主義
そうしたビジネス文化においては、組織において上下関係はあるにせよ、個人としては平等であるという発想を育みます。個人としては平等である以上、自らが納得のいかない事柄には、相手が上司であろうと個人として反論することに躊躇がありません。自分の行った結果への責任は自分に返ってくるだけで、他者や関係する組織へのグループとしての帰属意識に基づいて過ちをとらえることに、彼らはこだわりません。平たく言えば、部下が過ちをおかしたときに、外に向かって「このたびは我々の不手際で皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫びします」と表明しても、アメリカ社会では何のことか理解されないのです。
ということは、我々は英語さえできれば、海外の人とうまく仕事ができるはずだという、言い換えれば言語だけに頼る意識を変える必要があるのです。
言葉が通じるだけに、誤解が生じたら思わぬ深刻な対立につながるメカニズムが異文化環境にはあるということを熟知しておくことが、グローバルな組織運営の中での必要十分条件であることをここに強調しておきましょう。
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