The weakness of the Japanese people is striving to be too perfect-that means trying too hard to be perfect even before entering the process that leads to perfection.
退園した幼稚園の卒園式に参加させるのは“ルール違反”?@日本
帰国前に彼の子どもは日本滞在中に通っていた幼稚園の友達とお別れ会をし、寂しくなって泣き出したそうです。そこで、来年の3月に日本へ出張するときに、彼は子どもを連れて、その幼稚園を訪ねようと計画しました。というのも、ちょうど出張の時期に卒園式があったからです。
彼は幼稚園側に連絡をして、卒園式に自分の息子を参加させたいと申し出ます。すると、幼稚園側から、息子さんは退園したのだから卒園式には参加できないという答えが返ってきたのです。
残念ながら、私もそのコメントに異議はありませんでした。
凍えていたらやって来たバスに乗ろうとしたときのこと@米・ボストン
バスのチケットを買うには、近くにあった券売機でクレジットカードなどでそれを購入するか、あるいはキャッシュを運転手さんに渡さなければなりません。券売機がうまく作動しなかったので、運転手さんにキャッシュで支払おうとポケットを探すと20ドル札しかありません。これでお釣りが出るのか心配です。そこで申し訳なさそうに20ドル札を差し出すと、運転手さんは笑って、「構わないよ、乗りな」と言います。そして乗り込む時に「寒いよなあ」と言って、また笑いながら私を招き入れてくれました。
もちろん、乗っていた数人の乗客も和やかな雰囲気で、私だけが無料で乗車できたことを咎める人は誰もいません。日本にありがちな建前だけの「公平性」の常識が吹っ飛ぶ瞬間でした。
もちろん私が正直に20ドル札を差し出した行為も大切です。運転手さんを無視して乗り込もうとすれば、それは当然ルールを破る犯罪でしょう。しかし、この一幕は、その場での判断や状況への柔軟な対応が、社会をどれだけ暖かくするかを実感できたケースでした。
Perfectionism(完璧主義)vs. Flexibility(柔軟性)?
ですから、一つの「型」に縛られがちな日本企業に馴染まない海外の人は結構多いのです。これは、当然世界からの多様な知恵を集約して、より競争力のある製品やアイディアをもってグローバルな世界に太刀打ちしなければならない現在では大きな弱点となります。
学生が課題をやってこなかったときにそれを指摘すると「威圧授業」としてクレームを受けることがあるため、対応は慎重にと、ある大学での講義を担当したときに、そこの教授から事前に注意喚起されたことを思い出します。
アイディアを叩きあって建設的に議論をするときに、ちょうどスポーツのように学生と教師が一体となって意見をアタックし合い、より高度な結論へと導き出すことが、日本の教育界ではタブーになりつつあるのです。議論を闘わせることよりも、カリキュラムを従順にこなすことで教師は満足しているようにも見えてきます。それも学生やその親とのトラブルによるリスク回避と、学生の人権を侵害してはいけないというルールに対する極端に完璧な運用の結果なのでしょう。これが日本の将来に暗い影を落としていることは、海外に出れば一目瞭然です。
「逆に海外の人は、お詫びはしないけど、状況によって行動をどんどん変えてゆく。こうした行動の変化に日本人は翻弄され、彼らは言ったことを守ってくれないと文句を言う」
ワシントンD.C.でこんなことをジョークのように語り合う海外の友人の言葉を楽しく聞きながら、それでも困ったものだと苦笑いをしてしまう夕食のひと時でした。
* * *
『日英対訳 「源氏物語」のものがたり』
ステュウット・ヴァーナム−アットキン (著)、とよざき ようこ (訳)
紫式部によって平安時代中期に書かれた『源氏物語』は、全54帖に400人以上の人物が登場し、4代にわたる75年間の出来事が描かれた長大な物語。登場人物の詳細な心理描写を含む、巧みに構成された世界最古の長編小説といわれ、世界各国の30以上の言語に翻訳されています。本書では、日本古典文学研究の第一人者である著者ならではの解釈による「桐壺」「夕顔」「若紫」などの代表的なエピソードの現代語訳が、日英対訳で楽しめます。
===== 読者の皆さまへのお知らせ =====
IBCパブリッシングから、ラダーシリーズを中心とした英文コンテンツ満載のWebアプリ
「IBC SQUARE」が登場しました!
リリースキャンペーンとして、読み放題プランが1か月無料でお試しできます。
下記リンク先よりぜひご覧ください。
https://ibcsquare.com/
===============================