タグ別アーカイブ: 移民

海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

アメリカ点描 — Uber と Ethnic、そしてトランプのパリ協定離脱

【海外ニュース】

Does Donald Trump still think climate change is a hoax? No one can say.
(New York Times より)

本当にドナルド・トラップは今で温暖化は嘘の情報だと思っているのかは、なんともいえないが。

【ニュース解説】

「いやね。時間があるときにアルバイトができるだろ。俺はリタイヤして家でゴロゴロしていた。それは寂しいことさ。でも Uber (ウーバー) に登録すれば、色んな人に会えて、仕事になる。しかも、好きな時に自分の車でお客を運んでお金にもなる。嬉しいし楽しいね」
 レンタカーを返したあと、そんな彼の車に乗って近くのスーパーマーケットで買い物をします。
「デイツ Dates (なつめやし) が積んであるよ。買っていこう。香辛料も」
友人がそういって、カートに中東の食品を買い込みます。
ロサンゼルスの南、ニューポートビーチの近郊。
このあたりは様々な移民が住んでいて、多くの人は豊かな暮らしをしています。
「考えてもみてよ。このあたりに住んでいる人は皆アメリカ社会に溶け込んでいるどころか、地域に貢献している。もし中東からの入国が制限されたら、ここにいる人の多くの家族や親戚と離れ離れになるじゃない」
友人とそんな会話をしながら、トランプの政策を批判しながら、スーパーマーケットでの買い物を終えます。

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海外ニュースの英語と文化背景・時事解説

移民パワーを知らずしてアメリカは語れない。イランの大統領選挙を注目する理由は?

【海外ニュース】

Rouhani on pace to win re-election in Iran.
(New York Times より)

イランでロハニー氏が順調に再選される

【ニュース解説】

 アメリカの世界戦略を理解することは、英語を学ぶ人にとって、海外の人との話題についてゆく上でも大切なことです。
 今回はイランでの大統領選挙のニュースを例にとって、解説をしてみましょう。
 そもそも、なぜイランの選挙がアメリカの外交戦略に関係するのかと思う人も多いかもしれません。その答えは、アメリカという国の成り立ちを振り返ればわかってきます。

 アメリカの外交を考えるとき参考にしたいのが、アメリカが移民国家であるという実情なのです。
 今まで世界で騒乱がおきると、そうした地域からアメリカに移民が流入してきました。例えば、1959年にキューバで共産革命がおきると、それを嫌った人々が大量にアメリカに流れ込みました。ベトナム戦争が終結し、当時の北ベトナムが南ベトナムを占領すると、多くの人がアメリカで新たな生活にチャレンジしました。
 そして、1979年にイランで革命がおきたときも、同様に大量の人々がアメリカに移住したのです。

 彼らに共通していることは、革命で倒された政権が元々アメリカの支援を受けていたことでした。イランの場合、革命以前はパーレビ国王が統治する王国で、アメリカはソ連への防波堤として軍事的にも経済的にも国王を支援していたのです。そうした中で、アメリカの影響を嫌い、イスラム教の伝統に基づく国家建設をスローガンに、民衆が蜂起したのがイラン革命でした。

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ドナルド・トランプはアメリカという潤滑油を維持できるのか

【海外ニュース】

Mr. Obama is leaving near the peak of his popularity, yet many of the voters who made Mr. Obama the nation’s first black president chose to replace him with a man who had peddled racially incendiary suggestions that he might not have been born in this country.
(New York Timesより)

オバマ氏はその人気のピークを迎えながらオフィスを去ろうとしている。アメリカ発の黒人の大統領を選んだ多くの有権者が、今度はオバマ氏がアメリカ生まれではないのではといいながら、人種問題を扇動しまわる人物を選んだにもかかわらず

【ニュース解説】

この記事は今回の大統領選挙を皮肉っぽく解説しています。
アメリカでは、大統領はアメリカで生まれた人物しかなれないと規定されています。大統領に選ばれたドナルド・トランプ氏は、以前オバマ氏はアメリカ生まれではないのではと発言し、初の黒人大統領を牽制したことがあったのです。
そして、この記事からも読み取れるように、今回の選挙の前後、アメリカは大きく分断されたといわれています。

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ヨーロッパの理想と本音に左右されるシリアからの難民問題

【海外ニュース】

Migrant Chaos Mounts While Divided Europe Stumbles for Response
(New York Timesより)

難民の混乱がふくれあがるなか、ヨーロッパは分断され、対応に苦慮

【ニュース解説】

トルコの海岸に三歳のアイアン・クルディ君の遺体が漂着したことは、内戦の続くシリアからの難民の悲劇の象徴として、世界中に大きな衝撃を与えました。
既に一年以上前からこの難民の問題は、欧米では常に大きな問題として報道されてきました。元々、移民問題に鈍感な日本も、今回の悲劇でやっとマスコミが本腰をいれて報道をはじめたようです。

シリアや北アフリカを中心とした地域から戦火を逃れ、ボートに乗って海を渡ろうとする人々は既に30万人をこえ、収束のメドはたっていません。クルディ君の事例だけではなく、漂流の最中の海難事故による犠牲者も数えきれず、地中海に面した EU諸国ではその対応に苦慮しています。
さらにこの問題は、ギリシャなどの経済問題で揺れるEU全体に、新たな政治的な課題を突きつけているのです。

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アメリカ大統領選挙の争点とは

【海外ニュース】

Vice President Joseph R. Biden Jr. and his associates have begun to actively explore a possible presidential campaign, which would upend the Democratic field and deliver a direct threat to Hillary Rodham Clinton. 
(NY Timeより)

ジョセフ・バイデンと彼の関係者は、大統領選挙への出馬を積極的に検討。これは民主党の大統領選挙への大きな変化となり、ヒラリー・ロッダム・クリントンへの直接の脅威となるようだ

【ニュース解説】

来年のアメリカでの大統領選挙 a presidential election を巡っては、共和党 The Republicans ではメキシコ系移民の排除などを歯に衣着せず言明し、毒舌によって却って人気を集めている Donald Trump が、どちらかというと穏健派として知られる Jeb Bush を脅かすなど、その混戦模様が話題となっています。

そうした中で、民主党 The Democrats はといえば、圧倒的な人気を博す、Hillary Rodham Clinton がアメリカ発の女性大統領を目指して独走しているような印象を与えていました。しかし、ここにきて、現職の副大統領の Joseph R. Biden Jr が立候補するのではという憶測が流れ、状況が一挙に混沌としてきたのです。

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